第2章 反逆の少女たち
第24話 真実を掴む為に
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いんだな? さぁ! 今から特訓だ!」
「ひんひん……」
ランスが服を脱ぎ去ろうとする。
「アホなことしてないで早く行くぞ……」
と、一応は言ったんだけど、ランスは止まらないようだ。
「先に言ってるからな?」
「がははは!!」
「ひんひん……ランス様ぁ…痛いですぅぅ」
聞いていないようなので、とりあえずユーリは先へと進むことにした。本当にやばい時はランスはやれるだろう。シィルも様々な魔法を使える優秀な魔法使いだ。
だから、自分1人いなくなった所で特に問題ないだろう。……だが、正直それは言い訳だ。ユーリは単独行動はこれまでにとらなかった。パーティを組んでいる以上は迷宮ではなるべく取らないようにしていたのだが、焦る気持ち、はやる気持ちが彼を普段しない行動へとさせていたのだ。
「………」
そして、ユーリは巨大な屋敷の前へ立っていた。
もう、暑いのさえ考えられなかった。ただ、脳裏に浮かぶ光景だけに集中していたのだ。
『ありがとうございます……、あなた方のおかげで助かりました』
『いえ、困ったときはお互い様でしょ?ねぇ あなた』
『ああ、勿論だ。いつまでもいてくれて良いんだよ』
夫妻に助けを求めている女性がいた。快く引き受けてくれる夫妻。人見知りのようで、後ろに隠れてしまっている男の子。
『ここが、家だと思ってくれて良いのよ。私はアス●ーゼ、こっちは夫の●造。宜しくね』
『本当にありがとうございます。私はリ●ーナです』
ユーリは目を再び開ける。
目の前に広がるのは巨大な屋敷。志津香の屋敷だ。
「ここが……、あの場所だと?迷宮の中に移動させた。……のか」
ユーリはそのまま、扉に手を触れた。押しても引いてもビクともしない。機械的な仕掛けではなく、どうやら 魔法的な結界を張っているようだ。
「魔法の結界で良かったな。……手間が省ける」
ユーリは笑った。手をゆっくりと扉から離す。そして、手の回りに薄っすらと光が現れる。その光りを翳しながら錠に触れた。すると……鍵がひとりでに外れ、屋敷の扉を開くことが出来たのだ。
「ふぅ……、ランス。悪いな」
軽くランスに謝罪の言葉を言った。
志津香の屋敷の扉は自分が越えたらまた再び扉が閉まっていた。あの時の簡易結界と同じで、一度開いたくらいでは複数を通す事は出来ないようだ。怒っているランスの姿が目に浮かぶのだ。
「な、な、な……なんだ? あの男……、志津香様の結界を越えた??」
後姿を見ていたのは風の戦士。なぜか、枯れ木のように痩せ細っており今にも崩れ落ちそうな男だった。
「ぐああ! ユーリのヤツ!! 勝手に先に行ったな!」
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