あとがき
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色々考えましたが、以前あったあとがきは致命的な蛇足な気するのですっきりさせます。だからといって消すのもそれはそれでよくないんだろうなとは思いますが、まぁこのようにします。あのあとがきは私が所有権を主張しているようで不愉快だったので。引用は必要なので残しておきますが、内容も簡素なものにします。
ただ、やっぱり文章は軽やかに読んでほしいというのは書いておきます。
〈作中で引用した文献〉
冒頭エンペドクレスの断片は廣川洋一『ソクラテス以前の哲学者』(講談社 1997)より。
エピローグ冒頭と90話冒頭の詩はパウル・ツェラン 中川朝子訳『パウル・ツェラン 初期詩篇集成』(青土社 1998)より、それぞれ引用。
ドイツ語の詩は坂部恵『「ふれる」ことの哲学 人称的世界とその根底』(岩波書店 1983)のpp.112~113に掲載されている、ある詩から引用させていただきました。坂部の著作によれば、この詩はある人の自伝的作品の中の一編の詩らしい。本来は原典に当たるべきところだとは思うのですが、何分時間的余裕が無かったため断念しました。
パスカル著、前田陽一・由木康訳『パスカル』 中公文庫 2012 これは以前も書きましたが主人公が度々手にしていた本です。表紙の描写なども中公文庫から出ているものを使用しています。
以下、坂部恵による一篇の詩の日本語訳です。私は詩の言葉の美しさをあまり理解はしていませんが、私には坂部の訳は美しい詞だなとは思いますので、どうぞじっくり詠まれてください。
―――「ヴェニス」あるいは『ゴンドラの唄』―――
橋のほとりに、鳶色の夜につつまれて
さる日わたしはたたずんでいた。
彼方から歌がおこり、
金色のしずくとなって湧きひろがりながら
ふるえている水面をただよい去って行った。
ゴンドラと、そこここのともし火と、楽の音と―――
夢見心地に夜のうす明りの彼方へとただよい消える……
わたしの心、弦を張った楽器、
は、夜の手に触れられ、ひとり
ひそやかに船唄をうたいそえる、
色もあやな至福にうちふるえながら。
―――だれかがこの詩に耳を傾けただろうか? ……
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