60話
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う調子で言うものとばかり思っていただけに、そのエイリィの穏やかな丸い声は意外だった。
そんなプルートの持続を直観したのだろう、エイリィは無邪気そうな笑みを浮かべると、ぐりぐりとプルートの頭を撫でまわした。
「あぁ―――安心した」
「む、なんでさ」
「プルートはプルートなんだってわかったから」
頭を撫でまわしながら、そう言うエイリィの声はいつも通りになっていた。「なにそれ」と頬を膨らませる。
と、プルートは不意に脳髄から染み出してきた眠気を吐き出した。欠伸をした。ふわぁ、と温い空気とともに、弛緩した涙腺から涙がにじむ。
「ほら、良い子は眠らなきゃ」
からかうように笑いを含ませた声だ。子ども扱いするな、と抗議しつつも、眠くて死にそうなのは事実だった。不満を臓腑に感じつつも、プルート・シュティルナーはすぐに温かな闇の中へと微睡んでいった。
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