第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
いの
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んとかやれたのであって、この四人を自力でなんとかするのは殆ど不可能に等しい。心転身を使っている間に体を潰されてしまうし、トラップももうそろそろ品切れだ。
「雌豚が……中々やるじゃないか。だが、ここで終わりだッ」
クナイ片手に飛び込んでくる音忍の姿に足が竦む。先ほどまでの自信も吹っ飛び、泣き出しそうになる。
「八卦掌・回天ッ」
「双升龍!!」
その時響いた声に、いのは弾かれるように頭を上げた。
音忍が独楽のように回転する少年の全身から散発されるチャクラに弾かれ、次いで二匹の龍のように回転する少女の巻物から出てきた忍具が次々と音忍めがけて飛んでいく。音忍がそれをよけたと思いきや、忍具の上の糸が忍具を引っ張りよせ、音忍を追い詰めていく。
「八卦六十四掌ッ!」
忍具を操る少女はテンテン。
そして柔拳を音忍に食らわせる少年は、日向ネジだ。
「……!」
柔拳を突かれた動きを鈍らせた彼らがテンテンの忍具によって大樹の幹に固定される。と時を同じくして、テンテンが地面に崩れ落ち、ネジが力なく大樹によりかかった。
「ネジ、なんて無茶してんのよ……あんたの腕は巻物の中の医療忍術の術式で簡単に治療して、点穴でチャクラ循環をよくしただけなのよ!? しかも私は医療忍者じゃないし……もう、あんたもリーも、無茶ばっかりするとこは本当にそっくりなんだから!」
愚痴るテンテンに、「俺とリーがそっくり?」とネジが眉根に皺をよせて真剣に自分とリーの共通点に思案しはじめ、それからふと思い立ったように反撃した。
「テンテンこそ、九尾チャクラの循環を一時的に止めただけじゃないか」
あの後、テンテンは巻物の中の術式でネジの腕を治療し――といってもテンテンは医療忍者ではない上、そんな術式で治せるほどネジの傷は浅くなかったが――ネジはテンテンの体内を流れる九尾チャクラの比較的多い部分の点穴を封じて九尾チャクラの循環を封じ、他の点穴を押してその他の部分のチャクラ循環をよくしたのだ(といってもこれは一時的なものであったし、多少はよくなるものの、テンテンにとって九尾チャクラの苦痛があり続けることに変わりはなかった)。
「テンテンさん……ネジさん……どうして……?」
「どうしてもこうしてもないでしょ。私たち、同じ木ノ葉の人間じゃない」
「……とはいえ、流石にこれ以上の任務遂行は……ッ」
ネジが右腕を掴んでうめき声をあげた。テンテンの息も荒い。ネジの言うとおり、二人にこれ以上の任務遂行は不可能だろう。いのは後ろを振り返り、そして前を見直した。
今は音忍達の始末をし、かなりの重傷らしい先輩二人を木ノ葉まで送ることが先だと、そう判断していのは震える足で立ち上がった。思う以上に自分はあの音忍と対峙するのが怖か
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