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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
いの
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の利などの様々な要素も関連してくる。一見木ノ葉の里出身のこちらが地の利では上に見えるが、しかし彼らは木ノ葉崩しのために編成された特別部隊。木ノ葉の地形を大蛇丸から教えこまれ、シュミレーションを重ねているはずだ。よって待ち伏せは効かない。
 だから今のキバ達に出来るのは囮作戦――一人が残って相手を足止めするしかないのだ。相手の実力が実力だから長くは持たないかもしれないが、トラップなどを上手く運用すれば時間稼ぎにはなる。
 問題は誰が行くか、だった。

「ボクが、行くよ」

 言ったのはチョウジだった。

「チョウジっ!?」
「キバは感知タイプだから当然居なきゃいけないし……いのの心転身だって感知には随分役立つしね。僕が行くよ。心配しないで、二人とも。仮にシカマルだったとしても、同じこと言うと思うから」

 にこりと笑ったチョウジの蒼白な顔に、キバが頭を振って叫んだ。

「俺が行くッ! いのの心転身だって感知は出来るんなら、俺と赤丸で行った方がいい! 連携で言うなら俺と赤丸、いのとチョウジだろ!? だから俺が――」
「――私が行くわ」

 いのの言葉に、キバとチョウジが言葉を失って振り返った。いのの顔は青白く、唇は震えていた。それでも彼女は必死に笑顔を浮かべて見せた。

「キバと赤丸は感知タイプで、二人の使う牙通牙は強いし、速い。それにチョウジの肉弾戦車の火力は同期一だわ。二人は私なんかよりもずっとずっと強い。今回の任務は砂の我愛羅とカンクロウ、テマリを倒すこと……なら二人がいった方がずっと倒せる確立は高い。違う?」
「でも、女のお前に……!」

 言いかけたキバを、いのは遮った。

「心配しないで、二人とも。仮にシカマルだったとしても、同じこと言うと思うから」
「でも、シカマルの影真似と違って、いのの心転身は……!」

 シカマルの影真似の術はもともと足止めようの術だ。しかしいのの心転身は一度に一人の対象にしか使えない上、サクラとの試合でサクラが述べたように、ゆっくりと、且つ一直線にしか精神エネルギーを飛ばせない、術の使用中術者の体は人形状態であるというリスクを伴う。それを誰も体を庇ってくれない状況でどうやってやるというのだ。髪は前の試合で既にきり飛ばしてしまっているから、予選の時のように髪で相手を縛るというわけにもいかない。
 その上相手は九人。仮に一人に心転身が成功したとしても、他の八人がいのを潰しに来る。これは余りに危ない。キバやチョウジの方がまだ勝算はある。

「シカマルもサクラも頑張ってるのに、私だけ……私だけ無力なままは嫌なの。ちょっとでもいいからサスケくんの助けになりたい。ちょっとでもいいからサクラの、シカマルの、チョウジの、キバの助けになりたい。ちょっとでもいいから同期皆の助けになりたい
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