暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第23話 不明レベル値
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 この場所は迷宮第5層の最深部。
 岩が立ち並び、灼熱地獄となっているエリア。熱の根源は、下にある溶岩が流れている為だ。生きとし生けるものの進入を 拒むかのようなエリア。そこを越えた先の一室、まるで図書館の様に棚に並べられた書物。 それは、棚をはみ出ており積上げられている程の量。そして、机の上にも大量に積上げられ、散らばっている。

 その椅子に腰掛座っている者がいた。

 緑色の美しく長い髪、薄手の髪と同じ色の服にやや紺が混じっている青、藍色のマントに三角帽子を着けている少女。彼女こそが、カスタム四魔女の最後の一角にして、四魔女最強の魔法使い

≪魔想志津香≫


「……今日は一体何が起きてるって言うの。マリアに続いてミル……それに、ランまで」

 志津香は、軽く苦虫を噛み潰したかのような表情をしていた。マリアやミルは、比較的に負けた事を知るのは遅かった。彼女達は、自分事を熱心にしていたから あまり会っていなかったからだ。

 だが、ランは違う。
 彼女は、魔力を抽出する為に必要な生身の女性、そして 魔力も送ってきてくれている。それが途絶えてしまったから、判ったのだ。

「でも、全ての準備は整った。……永かった。ほんとうに……」

 彼女1人で結界を維持していたのは事実。だが、解除したのには理由があるのだ。もうある準備は完全に整っている。後は結界に回していた魔力をそれに費やすだけでいける。

「っとと、此処からが本番なんだ。……休んでる暇なんか無い」

 志津香は机の上においてあった、元気の薬、そして竜角惨を飲みほす。そして、気合を入れる為に……両手で頬を叩いた。

「もう直ぐ……もう直ぐだからね。待っていて……、お父様、お母様。……ッ! ……ん、また、か」

 志津香は何か背中にちりっ……と電気の様なモノが走った気がし、振り向いていた。
 だが、そこにはこの部屋に入る為の扉が1枚あるだけであり、別に変わったものは無い。

 誰かが侵入してきたのか?と一瞬考えたが、それはありえない。

 なぜなら、入れば仕掛けておいた魔法が発動し、それが伝わるからだ。

「気のせい……かしら。今日は朝から何か胸騒ぎがする」

 志津香は自身の胸に手を置く。

 今日こそ、父と母を助ける事が出来るから? いや、違う。なぜなら、最終的な準備が整ったと判断できたのはつい1時間程前の事だし、この感じは朝から続いているのだから。

「ん。気が入りすぎてるだけか。いや、気合を入れないと。絶対に……絶対に助けるんだから」

 志津香は、得体の知れない胸騒ぎを一蹴する。
 判らないが、もし それが嫌な予感の前触れであったりしたら、不吉極まりないのだから。この日の為に大好きなこの町を巻き
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