暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第23話 不明レベル値
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いると言う事だ。

「……仲の良い姉妹だしな」
「そうですよ! ミルは、最初は泣きグズってたけど、今は一緒に頑張ってくれてます。とても、楽しそうなんですよ。……久しぶりに見れて良かったんです、あのコの笑顔が」
「ああ。無理に幻術で姿を変えて、妖艶な笑みを浮かべていたあの時よりずっといい」

 エレナはミルの笑顔を頭に浮かばせながら涙ぐんでいた。ユーリも、最初は敵として出会っていた時の彼女を思い描き、あの笑みを見ていたから判る。無邪気に家族と一緒に笑っている方が万倍も良いと。

「薬屋の方にもまた、顔を出すか、アイテムの補給も兼ねて」
「ええ、きっと喜ぶと思いますよ? ミリさんもミルも。あ〜ミルに会う時はランスさんを連れて行ったほうが良いですね」
「ん? ランスを?」
「あー……その、確か指輪が原因で、それを外す為には処女を失わなければならないんでしたよね?」
「ま、そうだな。そう言う類の呪い系の力は多数あるから。外す為、と言うよりは処女でなければ着ける事が出来ないと解釈してるよ」

 ユーリは、やや呆れつつそう答えた。
 妄りに話すような内容ではない、特に女性の前ならそうだ。だけど、相手から話をしてきたのなら別だ。

「それで、ミルはランスさんが初めての人って事で大層気に入っちゃったみたいでね?」
「………」

 ユーリは、今度は驚いた表情をしていた。
 あの時のミルは破爪の痛みで大声を上げて泣いていた筈だ。痛みの原因であるランスを憎むのではなく気に入るとは……

「ミリの妹って事はあるんだな。そう考えれば、何処か納得できる」
「あ……はは。知ってましたか、そうですよね。一緒に迷宮にいたんですから」
「まあな。……ランスが女だったら、ってイメージだ。簡単に言えば」
「的を射ていると思いますよ。いくら私でも、ミリさん程にはなれないですから」
「別にならんでいいだろ」

 2人は最後には互いに苦笑いをしていた。

 そして、次の話題はランの話になる。

 彼女は役所で外交を行っていると言う事だ。資金不足は否めないカスタム。だから、東の大国・リーザスから復旧の資金を借りる為に尽力を尽くしていると言う事。真面目で優しい彼女ならではの仕事だ。

「ランか。……だが、良かった。彼女が今回の件で一番心を痛めている様子だったからな」
「ふふ。立ち直れたのはユーリさんのおかげだって言ってましたよ? 『頬に受けた優しい痛みが立ちなおさせてくれました』って、言ってました。……後、『まだ、時間はかかるとは思いますが、少しずつ、少しずつ頑張ります』 と言ってました。御自分で伝えれば良いのに、恥ずかしがっているんですね」
「……そうか。それは良かった。ん、リーザスか」

 ユーリはリーザスと言う単語を聞いて考
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