第2章 反逆の少女たち
第23話 不明レベル値
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「ああ、オレだ。大丈夫か? いったい何があった?」
「……何が? え、えっと……」
チサは、考え込む。
だが、考えがまるで纏まらないようだ。
「貴女は、突然いなくなったの。これだけを残してね」
ロゼは、チサの買い物袋を差し出した。それを見たチサは少しずつ、思い出していく。
「あ……、そう、私は買物に出ていて……、どうして? どうして、私はここに……? わ、わからない」
「ここに運んだのは私。貴女はラギシス邸にいたのよ。……覚えてる?」
「それが……何も……」
「とりあえず、町長の家に連れて行こう。見たところ大丈夫そうだ。……犯人もいずれは判るだろう。今回の件と無関係とはどうしても思えないからな」
ユーリはそう言う。ロゼも頷いた。
「そうね。このコの事、頼むわよ? 一応 ヒーリングはかけたけど、少しの間は安静にさせる事」
「……ああ」
ユーリは、まともなロゼの回答に、やや違和感を覚えたが今はそんなにフザけてる場面でもない。ロゼもいつもがいつも、あんな感じじゃないんだろう。
「チサちゃん。歩けるか?」
「あ……、はい。身体の方はなんともないみたいです。……ロゼさん、ありがとうございます」
「いーえ、良いって事。大丈夫、ちゃんと貴女のお父上様にたんまりご寄付をしていただく予定なので、ああ、ALICE様も私も喜ぶわ。あ〜めん」
……撤回しよう。
ロゼはロゼだった。全くぶれないいつも通りのロゼのようだ。
「そんじゃあね〜ユーリ。この件、終わったら奢りなさい。酒の1つや2つ。バチは当たらないわよ?」
「あーはいはい、わかったわかった」
ユーリは手を挙げる。
確かにロゼの言うとおりだ。その程度でバチが当たるのなら、ロゼはきっともう死んでる。彼女もそれは重々承知のようだ。 そして、チサを連れてユーリは教会から出て行った。
〜カスタムの町 町長の家〜
ユーリは、チサを連れて家に戻ってきた。チサは、家を見たその時、慌てて入っていった。今まで、何があったのかははっきりと覚えていない様子だったが、行方不明になってしまっていた事、父に心配をかけてしまった事は理解出来ていた為、早く父に顔を見せる為に慌てていたようだ。
「うぉぉぉぉぉん!! ちぃぃぃぃさぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あっという間に、父親の感極まるような叫び?声が響き渡ってきた。家の外でも聞こえてくるんだ。病弱な割には声量がハンパない。
「……娘がいれば病魔もなんのそのって事か」
ユーリはややため息をしていた。
その叫ぶような声は止む事は一切なく、続いている。今家に入ったら、耳に多大なる被害を受けてしまいそうだから 入るのはとりあえず見送った。チサ自身
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