21話
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廃のかんばせに、笑みは無い。陶器の人形を思わせる無機的なキャラクター、されどそれであるが故に現れ出るペルソナの罅割れの亀裂、その瑞々しさを、エイリィは直観したであろうか。
「貴女は、何か、気分のいい人ですね」
「そう、かな?」
「神経に変なざらつきがない。貴女は私を落ち着かせる」
不思議な表現だが、エイリィはなんとなくその言葉を理解した。
「エイリィ、貴女とはまた会って言葉を交わしたい」
マリーダの表情が揺らぐ。どんな顔をとっていいのか迷った後、彼女の碧い瞳がいつものように憂いを帯びる。
笑っていたほうが可愛い、と思う。
「おう、任務が終わったら、また」
身を正して敬礼する。マリーダも返礼の敬礼をした。
次に会ったら、マリーダにもっと笑うように言おう。
笑っていたほうが、この少女には似合っているから。
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