16話
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に一言。きょとんと小首を傾げてハンバーガーを頬張るジゼルを見るアヤネの視線は羨望だ。
「栄養が全部胸にでもいってるわけ?」
「んー? どうだろ、最近また紗夜が大きくなったって言ってたなぁ」
大食漢に対する冗談のテンプレに対し、大真面目に応える金髪の女。え、と掠れた声を上げたアヤネががっくりと肩を落とす。
十分にアヤネもデカいだろ、とは思うのだが。タンクトップとシャツに封じ込められて狭そうにしているアヤネの胸を一瞥し―――何故か疚しさを感じ、すぐ目を反らした。
「―――あ、そっかぁ。胸か」
不意に、天啓得たとばかりにアヤネが目を見開く。
「クレイってやっぱおっぱいおっきい方が好きなの?」
「え、なになに?」
「いや、だから。紗夜とエレアがどう違うのかなーと思ってさ」
逡巡―――おお! とまたも天啓を受けるジゼルが手のひらをぽん、と打つ。
「ねーやっぱりそうなの? クレイもちゃんと男の子なわけ?」
淫を含んだ意味深の視線とともにアヤネが腕を組む。むぎゅ、と変形した対の丘が目に飛び込む。
からかおうという腹積もりか―――既に顔を赤くしながらも冷静に戦況を分析したクレイは、大仰に咳払いをした。
「まずもって話の次元が違いますね」
腕組みし、朗朗となるべく堂々と語る。思いがけぬ反応にアヤネもジゼルも虚を突かれているらしい。
「そもそも女の子の胸の何が良いかというのはそもそも大きさなどでは決してないんですよ。その存在論レベルで胸は語られるべきでして―――」
散々語りつくした後、2人から「キモい」の一言で一蹴されることをクレイは知りもしなかった。
※
―――同時刻。
「グラム各機、ポイントE2通過」
(グラムリードより小隊各機、兵器使用自由。手早く狩れ)
(了解―――レギンレイヴ、攻勢接敵)
演習とは言え、戦闘指揮所の空気は張りつめたものだ。矢継ぎ早に入る通信を処理していくオペレーターの背に一瞥もくれることなく、モニカ・アッカーソンはモニターを食い入るように見た。
戦域想定は市街地。砲撃もなければ遊びと言っていい戦域想定は、重力下戦闘に慣れていないMS試験小隊『グラム』、そして『レギンレイヴ』のコールサインで呼ばれる彼女にしてみれば肩慣らしといったところなのだろうが―――。
スラスターのブーストで突風の如く市街を抜けていく4機のMS。増加装甲を施したRGM-89D《ジェガン》3機は特殊部隊が着々と敵施設に浸透していくがごとく、チェックポイントをクリアしていく。
練達の技量。一介のエンジニアでしかないモニカでさえ、その丁寧かつ堅実な《ジェガン》の操縦に目を見張る。なるほど試験小隊という名の誉れに、素人が疑問を抱く余地はないよう
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