6話
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で後方に下がるジゼルの《ガンダムMk-X》を横目で見ながら、クレイはフットペダルを踏み込んだ。
大型MAクラスのジェネレーターを積んだ《ガンダムMk-X》のスラスター推力は馬鹿にならない。軽くスラスターを焚いただけでも爆発的な蒼炎を吐き出し、波動とともに漆黒のガンダムが市街の路を突っ切る。ミノフスキー粒子散布下、且つ周囲に設置された音声欺瞞装置により有視界に頼らざるを得ない状況。ワザと激しくバーニアを焚き、前面から圧し掛かる負荷Gを受けながらも。立ち並ぶビル群を抜け―――。
ロックオン警報がクレイの耳朶を叩いた。同時に立ち上がる攻撃警報のウィンドウを見るまでもなく、クレイはロックオンレーザーの方角を把握、即座にそちらへ視線をやった。
遠方数キロ、ビルの上で膝立ちする機影―――RGZ-93EMP《リゼル》がビームライフルの黒い銃口を冷徹にこちらに向けていた。
《リゼル》がメガ粒子の矢を放つのと、クレイが《ガンダムMk-X》に急制動を掛けたのはほぼ同時。
大出力のバーニア光が花弁のように四方に散らばり、バックステップで躱す挙動を取る。しかし、さらにクレイは左腕のシールドを機体に掲げた。
回避機動に合わせるように追従した銃口から、研ぎ澄まされた閃光が屹立。正確にコクピットを狙った幻影の粒子光は、されど掲げられたシールドに吸い込まれるようにして直撃した。シールド表面の爆薬が起動し、爆炎光を唸らせる。減衰しきれないメガ粒子は対ビーム被膜が吸収―――本体はほぼ無傷だと確認する。左腕にも不調は無いことも把握し、クレイは次のロックオン警報と、機体の接近警報のざわめきを頭蓋の奥で知覚した。
直上より機影1―――《ガンダムMk-X》の頭部がクレイと同じように上部を向き、人工太陽の閃光を受けたその白亜の機影を認知する。同じく《リゼル》―――Zガンダムタイプ特有のフェイスタイプを持ったデュアルアイが《Mk-X》を捉える。
ロングバレルのビームライフルの銃口から粒子束を発振させる白亜の巨人。相対距離を一瞬で縮める急降下をしかける《リゼル》目掛けて右腕のビームライフルとバックパックのビームカノンを指向する。立て続けに3門の砲口から唸りを上げた光軸が立ち上がり、明灰色の《リゼル》を襲う―――が、双眸をぎらつかせた《リゼル》は右腕のシールドで直撃弾を防ぐ以外は意にも介さずにクレイの私領域を侵略した。
けたましく鳴る接近警報の悲鳴。
視界の中を犯す《リゼル》。
サーベルを抜くのは間に合わない。
逡巡が掠める。
薙刀の要領で振りかぶる《リゼル》目がけ、クレイは咄嗟にビームライフルを投げ捨てた。
数百キロもある塊を食らえば、機体そのものにダメージが無くても中のパイロットはある程度揺さぶられる。嫌った《リゼル》がロングビームサーベルでビームラ
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