ACT.5 「DAY3. 予想外の告白」
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「真田、話を盗み聞きしてないだろうな?」
「もちろん。なんかここだけ変な空気が漂ってたから」
良かったと胸を撫で下ろす。
「とりあえず、芽衣と藤原の二人で話し合わせることにした」
「カオスな事になってなければいいがな」
………………………………………
芽衣:詰所内
「貴女、長門さんの事、好きなの?」
藤原が先制。いきなりストレートに来た。
「なんで聞くの?」
簡単に答えてやるものか。
「私のライバルが何人いるか知っときたいし」
「なっ……」
この人も長門君の事が好きなのか。意外だった。
「あら、慌ててるわよ」
「あ、慌ててなんかない?」
本当はかなり慌てている。まさかのこの人から長門君の話題が出てくるとは思ってもいなかった。
勿論、長門君のことは好きだと思っている。小学生の時は幼馴染として良く遊んだりした記憶がある。中学三年の時に同じクラスになり、そこから気になり始めた。この頃から、真田とも仲良くなり始めた。会話を重ねる内に仲良くなり、いじめられていた時もすぐに駆けつけてくれた。その時に抱きつくという大胆な行動を取ってしまったが。高校は偶然、志望校が一緒だった。前からSDFに入隊したいといっていた長門について行き、一緒に入隊した。SDFでは入隊当時から長門の分隊に所属し、バックアップ/後方警戒を担当している。
今、昔を思い出すと、結構迷惑掛けたなぁ、と思った。助けてもらった事は数えきれないほどある。
昨日の事件でも、私一人のためにSDFが動いてくれたし、帰りも負ぶってもらった記憶がある。途中で眠ってしまったので記憶は薄っすらとだが。
「何赤くなってんの?」
「赤くなってない?」
なんで私はこの人と普通に喋れているのだろう。ついこの間まではトラウマの人物だった筈なのだが。
「貴女の事が羨ましかった」
想定外の発言だった。
「へ?」
「だから、貴女の事が羨ましかったって。だから嫉妬した」
「はぁ…」
だから取り巻きを使って監禁、暴力をしたの?とはとても言えない。このままのムードで終わらすのが得策だ。
「分かった。前回と今回の事は不問にするよ。でも、次からは容赦しない。SDFを舐めないで」
「やれるもんなら、やってみなさい。長門さんを取るのは私よ」
藤原は立ち上がり、女子のテントがある方向に向かって歩いて行った。
あれ、伝わった事がズレてるような…?そんな感じがしたが、気にせず詰所を後にした。
………………………………………
長門:詰所内
「めでたし…なのか?」
詰所の中には長門と真田しかいない。9時になり、SDFの警備シフトがスタートしたからだ。
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