第17話 晋陽ライブ
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
どうしよう。その時は、全力を持って阻止しなくては!
「バサラさんって、すごいよね。」
「な、なにが?」
これはいよいよまずいようだ。
「なにって、歌だよ。」
「う、歌?」
しかし、考えていたことはなさそうでとりあえずほっとはしたが、新たな疑問が出てきた。
「確かにあの男の歌はすごいとは思うけど、いきなりどうしたの?」
そう、先ほど昼間の件で報告をした際にあの男の歌のことも報告している。
それに、あの男はそもそも月が連れてきたのだ。
なら、わざわざ自分に言うまでもない。
なんでまたこのタイミングで?
「だって、さっき詠ちゃんも報告してくれたけど、人だけじゃなくて、馬にも歌ったんでしょ?その馬もバサラさんに歌い返して、背中に乗せて走り出したって言ってたし。」
「え、ええ、赤兎を捕まえようとしたけど捕らえられなくて、私たちを尻目に悠然と草を食べてる赤兎の前にいきなり走ってきて、歌いだしたの。
その歌を聴いてると、なんかこう、心が熱くなるというか、力が湧いてくるような、だけどどこか安心するような感じだったわ。」
「兵達なんかは、士気が低かったのに、あの男の歌を聴いてからは元気を取り戻したかのような感じだったわ。
それでしばらくあの男が歌ってたんだけど、歌が終盤になってきたのかと思ったところで、赤兎が、いや私たちの軍馬までもが歌いだしたのよ!
こんなことが起きるなんて思わなかったから唖然としたけど、今思いだしてもあり得ないと思うわ・・・」
賈?はそう言いながらも、思いだしたのか、苦虫を噛み潰したかのような顔をする。
だがつきはふふ、と笑う。
「報告を聞いた時は驚いちゃったけど、バサラさんらしいなって思ったよ。だって、バサラさんその前に街に一緒に出かけたんだけど、街の人に赤兎のことを聞いて、赤兎に歌うために駆け出したんだから。」
「私が出会った時も、恋さんに出会った時も、バサラさんは歌ったんだけど、私は落ちこんでて、恋さんは警戒してて。でも、いずれも自分の想いを相手にぶつける、そして、相手を歌で感動させ、分かり合う。そんな想いが伝わってきたんだ。だから、バサラさんの歌を聴いて赤兎もバサラさんとバサラさんの歌を気に入ったんじゃないかな?」
賈?は月の話を聞き、どれだけバサラの歌を気に入っているか改めて思い知った。
(まあ、確かに、赤兎と歌った時はすごいと思ったけど、って、なに考えてんのよ私は!)
賈?が1人で悶々と考えている時に1人の兵士が部屋に入ってきた。
「し、失礼いたします!至急、申し上げたきことがあります!」
兵士はなにやら慌てた様子であり、そこからなにか起きたことが予想できた。
「何があったの?!早く言いなさい!」
「何があったんですか?」
月と賈?が兵士に聞く。
そして兵士が口を開く。
「ね、熱気バ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ