第六話。魔王降臨?
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鳴央が風邪引いたらアレだし」
「あ……はい。ちょっと……恥ずかしいですね……」
恥ずかしい?
音央のその言葉で、鳴央ちゃんを見れば、彼女はバスタオルを巻いただけという何とも素晴らしい格好で。黒髪清楚ナイスバディな美少女のバスタオル姿。しかもその髪は濡れていて、肌はまだ水滴が残っていた。
首筋やうなじ。そして、水滴が流れ鎖骨などに視線がいってしまい……俺の理性は限界寸前だった。
ああ、クソッ!
ヒステリア性の血流が流れちまう!
と、そんなことを思っていた時だった。
ピシリ。
まるでガラスが割れたかのような『音』が聞こえると。
何もないはずの空間に亀裂が走り______。
ピシ、ピシ、パキン。
まるでガラスが砕け散るかのような『音』が辺り一面に聞こえて。
俺や音央。鳴央ちゃんの目の前にソイツは降臨した。
「______ゲホゲホ。なかなかやるな、『』ゥ。
いや、今は『101番目の百物語』と呼ぶべきか? ま、どっちだっていいんだけど……」
空間に突如出来た穴から出てきたのはたった今さっき、奈落の穴に落とされたはずの綴だった。
綴は俺や音央達を一瞥した後、「なるほど……」と呟いて。
「一文字疾風______性格はややお調子者の傾向が見られるも、社交的で特に女子との関わり合いが高い。
しかしその反面、押しが弱いチキンなところもあり、結局は面白い人止まりで終わる傾向が見られる。
ただし、潜在的なカリスマ性を持ち、自身が関わった人物の生き方をも変える可能性をも秘めている。
特にここ数ヶ月の間に性格の変化が見られ、以前より女子や他人との距離を置く傾向が見られる。
……ふーん、ここ数ヶ月で性格が変わった、かぁ。ね……アンタ、なんか怪しいブツでもやってんの?」
コイツ、一文字のプロフィールまで熟知してるのかよ??
「してない。俺は俺……ですよ」
「ふーん……ま、いいけど?」
「どうやってあの穴から抜け出したのよ?」
音央が綴に問いただすと。
「ああ? あー、あの穴?
なんか真っ暗で気分悪かったけど気合でどうにかなったわ〜」
気合??
「う、嘘でしょ??」
「え、え?」
混乱する音央、鳴央の『神隠し』姉妹。
「……というのは冗談だけど〜」
冗談……なのか?
綴なら気合でなんとか出来そうで怖い。
「確かにあそこは嫌な気分になるけど、はっきり言って『軽い』!
尋問のエキスパートの私からしてみたら、軽すぎて準備運動にすらならないわ」
綴のその言葉に鳴央ちゃんは泣いた。
「本当の絶望はあの程度ではないな。
全てを忘れるなんて軽すぎるわ!
私なら忘れ
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