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101番目の舶ィ語
第四話。メールとお泊まりと……
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「はぁー、まぁ、いいや。それで鳴央ちゃんは何が出来るんだ? 音央はあの茨で巻きついて相手をくびり殺すとか出来そうだけど」

「わざわざ物騒ないい方すんなー」

いや、だってなー。
さっきまでの態度見てたら誰だってそう思うよ?
反対に鳴央ちゃんは殺す以前に戦うことすら苦手そうだけど。

「え、あ、私は、その……戦闘は、苦手ですね」

音央の講義をスルーして、鳴央ちゃんに話しかけると予想通りの答えが返ってきた。

「だよねー。鳴央ちゃんがいたあの家だって、富士蔵村の一部だったわけだしな」

「ま、鳴央が何もしないでも済むようにあたしたちで頑張ればいいわよ」

「それもそうだね」

「あんたも主人公なんだし、私より数十倍も強いんだからなんとかなるわよ」

「そうだね。音央や鳴央ちゃんみたいな美少女が戦わなくても済むように俺が頑張るよ」

「ま、またそんな事を言って……本当にバカなんだから!」

「あ、あぅ……」

真っ赤になる六実姉妹を堪能しながら俺は考える。
主人公として、俺が出来ることはなんだろうか。
皆んなを俺の物語にした責任。
大切な物語を守る為に必要な強さ。
そういったものなら既にある。
他に足りないとしたら……なんだろうか?

「ま、最悪やっつけられなかったとしても、先輩の家からは撃退するという方向で。
一之江が合流してからやっつけるという手もあるからね」

「そうね。夜中からでも来てくれるなら心強いわ」

「私も見てましたが、一之江さんは息をするかのように、当たり前のように大勢の村人をやっつけてましたから。あの方は本当に強いんだと思います」

自分が強くあるために、様々な努力をし続けている一之江。
だからこそ、彼女は強く、気高く在るのだろう。
______負けていられないな。
彼女の隣を並んで歩く。
いや、彼女の前を歩いて守る。
そんな存在になるくらいではないと彼女を物語にした責任は果たせない。
強くなろう。
誰よりも。
大切な物語達を守る為に。
そう決意した時だった。

「ひゃあああ、焦げちゃったー!」

先輩の悲鳴がキッチンから聞こえてきて、俺達三人は顔を見合わせた。

「音央、鳴央ちゃん、やっぱり手伝いにいって貰えるかな?」

「うん、そうね」

「ふふっ、行ってきます」

音央と鳴央ちゃんは立ち上がり、キッチンの方に歩いていく。
俺もせめて食器の用意くらいはしよう。
そう思い立ち上がったその時だった。
違和感を感じた。
お洒落で雰囲気も良く、適度に生活感もある理想的な一人暮らしの部屋。
それなのに、何故か違和感みたいなものを感じてしまう。
……気のせいだろうか?
既に『ベッド下の男』が存在していて、条件が整
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