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101番目の舶ィ語
第四話。メールとお泊まりと……
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今は一緒にいるわけだが」

俺は音央と鳴央ちゃんを見ながら頷く。

「あ、あはは……」

照れたみたいに俯いて笑ってから、鳴央ちゃんは上目遣いで俺を見た。

「でも、本当に、その『ベッド下の男』が現れてしまったらどうなさるんですか?」

そう言いながら心配そうに先輩の寝室を見た。

「とりあえず出たらやっつけるのは確定として、だな」

「まあ、そうよね。そんな物騒な痴漢オバケ、とっとと倒したいもの」

俺の言葉に音央も同意して拳を握り締めた。

「しかも先輩の家に、というのが許せないしな」

「先輩の家に泊まるっていう、この事実を知ったらあんたを許せないって思う会長のファンは大勢いるでしょうね」

「あぁ……何だってこんな事になっちまったんだ」

いらぬところで恨みを買ってしまっている。
泊まるのは俺の意思じゃないのに、それが原因で妬まれるとは。
さすがは不運に定評のある二年の遠山。
今は一文字だが。
この事がバレたら、俺はもう穏やかな学校生活を送れなくなるだろう。
だけど、そんなリスクがどうした?
こんな事はいつもの事だろ?

「まあ、なんとかなんだろう。
それよりも問題は倒し方だな」

「はい。ただ、『ベッド下の男』噂自体は、別に殺傷などがあるわけではないので、戦闘になったとしても私と音央ちゃんならなんとか出来るかと思います」

自信満々にそう語る鳴央ちゃん。
普段見る泣き虫というイメージを覆すほど、その目には強い光が宿っていた。

「え、音央と鳴央ちゃん、戦えるのか?」

「うん? あたしはほら。あんたをザクザクした事があるじゃない」

「ああ……あの茨か。使えるのか、あれ?」

「うん。鳴央と練習したもの」

「音央ちゃん、最初は全然上手く使えなかったんですけど……」

「モンジをぶち殺そうとした時の気持ちを思い出して! って意識を変えたら、その瞬間からまるで手足のように茨の鞭をビシバシ使えるようになったわ」

「……そうか。それはよかったな」

「うふふっ」

もう嫌だー!
なんで俺の周りには俺を殺そうとする奴が集まるんだよ??
アリア(風穴)、理子(爆弾、ナイフ、ヘッドショット)、白雪(日本刀&機関銃乱射)、レキ(狙撃)、かなめ(刀、包丁……eat)、一之江(背後を振り向かせて殺害)、キリカ(蟲でおしょくじ……いただきまーす?)……そして今度は音央か。
また死ぬかもな俺。
まあ、二度、三度すでに死んでるから今更感があるけど。
死んでも生き返ればどうっていう事はないからな。
だが殺られて喜ぶ性癖はねえ!
ヒステリアモードの派生にもしかしたらそっち方面のものがあるかもしれないが、少なくとも俺にはそっちの趣味はない。


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