第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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のままで、帰っていたのだが、ある場所に通りかかったその時、その笑顔が曇った。
その場所とは、廃墟となっているラギシス邸。
今でも崩れそうな廃墟であり、それでもまだ聳え立っている。……そして、この場所の周囲は他の場所と比べても格段に人通りが少ない。それは、あの四魔女達がいつ戻ってくるのかわからない状況だから 住人達はこの場所を避けるように遠回りしているのが現状なのだ。当然、それはチサにも言われている事、だが 彼女だけは違う。通れば、注意されてしまうけれど、それでも彼女の足は無意識にこの場所に立ち寄ってしまうのだ。
「……なんでなの。マリアさん、ランさん、ミルちゃん、志津香さん。どうして……、私、私……」
悲しげな瞳で、あの頃の彼女達に問いかけるように語りかけるチサ。
町長の娘と言う立場もあるため、町を苦しめている彼女たちを率先して退治する事を謳わなければならない。
それでも、心の底では、彼女達を疑いきれずにいた。脳裏にあの頃の笑顔と楽しそうな雰囲気、幸せそうな顔が浮かぶから。酒場のエレナの言っていた彼女達を信じている人物の1人がチサなのだ。
「っ……!?」
突然だった。一瞬背後に何かがいると感じたチサ。
だが、振り返ることも出来ず、ここで目の前が真っ暗となり意識を手放してしまった。
「……あら? これっ。」
その数分後、同場所にて、カスタムの教会のシスター・ロゼが通りかかり、道の真ん中に落ちていた買い物籠に気がついた。住人が皆避けて通る道を、平然とした様子で歩くのも流石であろう。
彼女は、あの2人と違って別段彼女達への想いがあるわけではない。
ただ、単純にこの場所が通った方が近いからだ。
「買い物籠……、これって確かあのコがいつも使っている物じゃん」
近づいて中を覗き込んで見ると……、その中にはぎっしりと食材が詰まっている。この荷物を忘れるのは考えにくい。なのだが、周囲には誰もいない。
「……神隠しにでもあったみたいね。……ま、神って、結局は 当てにならないし」
シスターの言葉とは思えない一言だが、彼女も突然消えてしまったであろうチサの事が少なからず気がかりなようだ。
こうして、町長の娘、チサは消息を絶ったのだった。
――……そして、消息を絶ったのはチサだけではなかった。
〜迷宮≪地獄の口≫第二研究室前〜
マリアとの情事を終えた後の事だ。
マリアの指で妖しい光りを放っていた指輪が突如として抜け落ちたのだ。その事に呆然としてしまうマリア。
「フィールの指輪……、これまで、何をしても外れなかったのに……」
マリアは、外れた指輪を眺めながらそ
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