第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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…? と言う既視感。
曖昧な記憶。カスタムと言う町に、来た事があるのかどうか。
自分の記憶の中の優しい声。それの1人は絶対に、母だ。
そして、惣造、アスマーゼ。そして、曖昧な記憶の中の少女。首から上は全く思い出せない。残された写真の中の少女なのかどうかも、判らない。でも、間違いなく、心の何処かで引っかかっている。だから、ひょっとしたら、その少女が今回の件の……。
そして、それともう1人。
「……エレナ」
ユーリは、頭の中で今何処にいるかも判らない少女の事を思っていた。
この少女は、名前と容姿ははっきりと覚えている。
淡い青の長い髪に花を愛でているその姿。幼いのに花が大好きだといわんばかりに見つめていた姿。
「無事、だと良いが……」
そう呟くユーリ。
今何処にいるのかは判らない。とある事情があり、今は離れ離れになってしまっている。だが、きっと無事だと思っている。……そう思いたいんだ。
「ん……」
ユーリは、思い切り両頬を叩いた。今は目の前の事をしっかりとこなすだけだ。
「残ってるのはエレノア・ラン、ミル・ヨークス、そして……」
ユーリは、軽くフードの先を摘み深く被る。
俯かせながら呟くのは、四魔女のリーダーである1人。
「魔想……志津香」
あの夫婦と同じ性を持つ魔女。
そして、その容姿。……もう、そうとしか思えないのだ。
「悪い事をしてる……そうならば、止めるのが 恩を返す、と言う事だろうな。それに…… 会えるかもしれないから」
ユーリは拳を軽く握り締めた。
〜カスタムの町〜
ランス達が丁度迷宮内にいる時。チサは町中を歩いていた。
「よし……、全部必要な物は買えたし。うんっ大丈夫。お父様にも元気になって貰わないと」
メモ帳を見つつ買い物籠の中を確認していた。その中はどうやら、食材。夕食の材料が入っているようだ。だが、2人分にしては多すぎる量。
「うん……。今回の冒険者さん達も、無事に帰ってきてくれたら、振舞わないとね? これくらいしか、私は出来ないし。それに、お父様、ランス様がいる時、驚くほど元気になってるんですもの!」
以前の冒険者達は音信不通となってしまっている。
チサは、今回はきっと帰ってきてくれると、思いを込めて彼らの分の食料を確保していたのだ。自分達の町の為に……、帰らぬ人になってしまうのは悲しすぎるから。後は、ランスと思い切りはしゃぐ父の顔も思い出す。
病気が逃げ出しているかのように、はしゃいでいるんだ。
あの人たちは、町だけじゃなく 父も助けてくれてるんだと思える程だった。
「ぁ……」
チサは笑顔
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