暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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だろう」
「そう、なんだ……。なら、間違いないわね。後はあの指輪の特性って言うのもあるかも。処女の人間じゃないと魔力を吸えない……とか。だからあの時、自動的に外れたんだと思うの」

 ランスが一緒だからか、処女と言う言葉自体に何処か変な偏見を抱きそうになっていたが、よくよく考えると、処女と言うのは古来から儀式に使われる条件の一つ。今でも信仰心の強いシスターは、純血を神に捧げる。と生涯貫く者もいるのだから。

 そして、話を途中から黙って聞いていたランスは、難しい顔になりながら、口を開く。……真剣な顔をした時こそ、この男は高確率で、ずっこけ発言がでるものだ。それは、期待を裏切らない結果となる。(期待してない!)

「成程……と言う事は、残りの3人も処女と言う事か?」

 ズバリ、と真剣そのものだ。
 どこに真剣になっているんだ。と言いたい。……ああ、言いたい。

「真面目な顔をしたかと思えば……」
「馬鹿者! これは重要な事ではないか。処女じゃなきゃ駄目だ。とかガキ臭いことを言うつもりは全く無いが、雪が積もったら誰かが踏む前に自分の足跡を着けたくなるだろ? もしくは、初めて凍った水溜り。最初に割りたくないか?」
「はいはい……」
「あ、その例えは、判る。ちょっとだけだけど……、判っちゃう自分がなんか、嫌だな……」

 てきとーにいつも通りに話を流すユーリに、たとえ話を理解して何処か譜に落ちないマリアだった。そして、ランスは確認をすべく再びマリアに聞く。

「で、3人は処女なのか?」
「んー。私の知る限りじゃ多分。ランも彼氏いたって聞いたことないし、志津香もそう。何より簡単に身体を許すような性格じゃないから。あ、ミル。あのコは絶対ありえないわ」
「がはははは!! よーし、俄然やる気出てきたぞ! 3人ともズバッ! と奪ってしまえばいいのだからな! むふふふーー!! これは随分と面白い展開に……いやいや、大変な事になってきたぞ」
「10人中10人が答える。絶対にそう思ってないだろってな」

 ユーリはため息を吐いていた。
 まぁ、事件を早く終わらせる為にと考えたらランスがやる気がある方が良いだろう。シィルを助けると言う意味でも。

「仕方ない。正義の為にオレ様が苦労をかけてやろう! うむ、これも世の為人の為と言うヤツだ
 流石は超英雄のオレ様」
「まー別に、処女奪うって言うのなら、別にランスじゃなくたって良いんだけどね」
「なにぃ!?!?」

 水差された事でランスは笑顔を一瞬でやめていた。

「ユーリさんだって、良いって事じゃない? えと、19歳なんだし、大人大人!」
「……歳を強調されるのは何処か引っかかる点があるが、本人の意思ならおれは構わない。無理矢理に、であればさすがに躊躇うがな。……で
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