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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆初めての絶望、そして希望
第十一話 月夜の黒猫団
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ているもの、っていうよりは欠けていたもの、だと思う。攻略組の多くはこのデスゲームが始まってすぐに強烈なスタートダッシュを決めたんだけど、それによって周囲と大きなレベル差ができたんだよね。この差を埋めるのはなかなか難しいと思う。」

月夜の黒猫団の皆はマルバの言葉に頷く。
「そうだね。僕たちは第三層がクリアされるまでは怖くて始まりの街から出られなかった。そのときの攻略組とのレベル差を埋められないまま今に至る、って感じだから。」
「うん。それじゃあ、二つ目。それは『情報力』。攻略組が持っていて下層のプレイヤーが持っていないものは、下層の情報だ。攻略組にとって情報は力になる。他の人が知らない情報を自分が持っている、それが自分を他のプレイヤーより強くできる要因になるからね。それは攻略中の層ばかりじゃなくて、下層の情報も同じ。仮にもう自分には必要のない下層の情報でも、他のプレイヤーが持ってない情報を持っていれば渡したくなくなるものだよ。」
「うん、それはなんとなく分かる。」
「それだけどさ。一つ目は取り返しがつかなくても二つ目はなんとかなるんじゃないかな、その提供者さえいれば。」

「提供者……?」
ちょっとびっくりしたようにケイタは呟いた。

「そう、提供者。もしよかったら、僕がその提供者になろう。ただし、期限は付けさせてもらうよ。次のボス攻略が終わるまで……そう、だいたい二週間から三週間くらい。一回くらいなら攻略サボっても大丈夫だと思うしね。」

月夜の黒猫団の全員が目を見張った。

「それは僕たちにとってとってもありがたい申し出だけど……いいの?」
「もちろん。これは僕だけの問題じゃないから。二十五層ボスの戦いで感じたんだけど、攻略組の人数が少なすぎる気がするんだ。君たちが本当に攻略組になれるのなら、攻略もかなり楽になるはずだ。だから、僕からもお願いしたい。攻略組に、なってほしいんだ。」

あまりに信じられない提案に、黒猫団のメンバーは一旦集まって相談を始めた。
マルバはユキを抱きながら答えが出るのを待つ。やがて……

「話はまとまった。君にコーチをお願いしたい。攻略組を目指して精一杯がんばるから、よろしく。」
「うん、よろしく。」

マルバは再び月夜の黒猫団の全員と固い握手を交わした。
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