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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆初めての絶望、そして希望
第十一話 月夜の黒猫団
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話しかけてみる。

「いや、さっきここまで逃走してくる途中でどうやらソロプレイヤーにモンスターを押し付けてきちゃったらしくてさ、このままだとそのプレイヤーが危ないから助けに行こうか、って話してたんだよ。」
「危ないって、無理よそんなの。だってわたしたちは勝てないから逃げてきたんだよ?また行ったって逃げ帰ってくるだけよ。」
「だからって押し付けた人が死んだらどうするんだよ!?」

話がようやく見えてきたマルバは彼らに笑いながら言った。
「ああ、それなら僕がさっき一掃してきたよ。フェザードラグの大群でしょ?」

「え!?」
驚くパーティーたち。

「あんなにたくさんいたのにこんな短時間で倒してきたなんて……あんた何者だ?」

疑惑の視線に晒されたマルバは真面目に答える。
「何者ってわけでもないさ。ここで戦えるほどのレベルは十分にあるってだけで」
「あんた、攻略組だな?なんだってこんなところで狩りなんてしてるんだ。攻略組が経験値稼ぎするような場所じゃねえぞ」

一応は命の恩人に対していう台詞じゃないだろうに、と心のなかでつぶやく。
「素材集めにきてただけだよ。」
「素材集めだぁ?高レベルの素材がこんなところにあるわけねえだろうが。嘘ついてんじゃねえよ。」
「嘘じゃないってば。」
「いいや、嘘だ。ポップが枯れたらどうすんだよ。俺らが得られる経験値が減っちまうだろうが。非常識だぞ」

まさか非常識という単語がこのパーティーから聞けるとは思わなかったマルバは苦笑して答えた。
「非常識って……さっきのMKPは君たちがやったんだろ?非常識は君たちのほうだと思うけどなあ。」
「ふん、開き直りやがったか。」
「いやいや、開き直ってるのは君たちのほうでしょ……」
「話をまぜっかえしてんじゃねえよ!!」
「だから混ぜっ返してるのは君たちのほうだって……」
「ふざけんな!」

もはや話にならないと思ったマルバはため息をつく。相手はさらに続ける。
「おまえ、さてはビーターだな!?お前たちのせいで俺たちは出遅れたんだよ!!責任とれよ!!」

ビーター、か。そういえば最初にこれを言われたのはキリトだったな、とマルバはつい四ヶ月ほど前の出来事を思い起こした。震えを隠した声で笑うキリトの声が脳裏に蘇る。あいつの思いを知らずに、こいつらは……

もはや彼らの言うことは聞きたくなかった。マルバは足早にその場を離れる。後ろで喚く声が聞こえるが、無視だ。あー、聞こえない聞こえない。


すたすたとその場を通り過ぎたマルバは、フェザードラグの羽根がすでに十八個溜まっているのに気づいた。あとはジャイアントアントだ。奴らは迷宮区にいる。マルバは迷宮区を目指した。







第十六層迷宮区は植物が生い茂り、巨大
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