第2章 反逆の少女たち
第15話 敗北の魔女
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自体は発動したが、その銃口の向きが狂ってしまった為、もう一体の方へとぶち当たった。
「ぬお! 何をするのだ!」
「当たってないだろ、逆にナイスじゃないのか?」
「馬鹿者! 突然だと驚くではないか!」
「そんくらい我慢しろ! 乱戦なんだから!」
こんな戦いでも、いつもの姿勢を崩さないのはさすがであろう。ユーリもランスも。それが言えるのは、2人ともまだまだ余裕だという事だ。
「……指先斬ったくらいじゃ止まるわけもないか」
指先を斬ったとはいえ、五指ある内の一本を切断しただけだ。乱暴な言い方をすれば、まだ後9本もある。
「動きが鈍った様子もないし、どうやら、感覚は無いようだ。ランス、こいつは一気に叩き潰した方が良さそうだ」
ユーリはそう言いながらランスを見るが……、ランスは返事を返す事はない。それどころか、敵前であるのに、前を見てなくうつらうつらとさせていたのだ。あの状態異常は1つしかない。
「スリープか! シィルちゃん!」
「は、はい! えいっ!火爆破!! ランス様っ目を覚まして下さい!」
「ぬおっ! ええい! 厄介な魔法を使いやがって!!」
ランスは、そこまで深い眠りに誘われたわけではなかった為、帰ってくることが出来ていた。だが……、大きな隙が出来る危険な魔法である事には違いない。
ユーリも似たような事、出来なくは無いが 相手は眠る事のない彫像。期待は出来ない。
「……まぁあっちを気にする前にこっちの片をつけるか」
ユーリは構う事は無いと言わんばかりに剣を引き抜く。
抜刀術は、主に速度を重視した技。
相手の速度、敏捷性が自身の技能よりも下であれば、殆ど100%先制を取れるが こういう相手には相性が悪い。指を切り落とす事は出来たが、手が若干痺れたのだ。
つまりはそれなりに硬いと言う事だ。
「……が、別に問題ない」
剣を前に突き出し横に寝かせるようにして掌を翳す。
「煉獄……」
闘気を剣に直接溜める。動かす手は、いつもよりも遅い。……いつも以上に溜めていると言う事だ。
「ふん! シィル! さっさと援護しろ!」
「は、はい! 炎の矢っ!」
彫像に連発されている水雷を避けながら、ランスは間合いを狭めていく。強力な一撃の射程距離に入るまで後数m。
「水雷!」
「もう一回! 炎の矢」
シィルの魔法と彫像の魔法が激突し、炎と水の衝突、相反する魔法が衝突した為、相殺され、シィルの炎も消えるが、相手の水も蒸発し消える。残るのは蒸発した気体だけ。
それが目晦ましになるのだ。接近しているランスにとっては丁度良い目晦まし。
「くらぇぇい!! ランスアタァァァック!!」
ランスはその隙に脳天目掛けて
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