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黒き刃は妖精と共に
【白竜編】 噂
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るようにも感じる。
 僕という存在を見つけてからまだ一週間。人間という生き物は現金なもので、一回いいことが起きるとそれが続くような、そんな何の根拠もない期待を抱いてしまうものだ。
 僕自身、珍しいワイバーンなら見てみる価値も云々などとは言っても、正直ウェンディちゃんという自分の記憶を正しいものと証明してくれた少女との出会いでこの程度の情報にも興味心身なのは確かだ。
 行ってみるのも、いいかもしれない。

「お客さん、もっと詳しい話聞いてもいいですか」

 と、僕が言うと客はにやっと笑い、

「じゃあ、値下げ交渉受けてもらってもいいかね?」

 ……本当、人間とは現金な生き物だ。
 ちなみに、さすが行商しているだけあり情報の件も含めそれなりにいい値段を値引かれ、ウェンディちゃんと僕が軽く怒られたのは余談である。

「なぶら、ならば明日にでも行ってくるといい」

 その日の夜。夕食を終え、ウェンディちゃんとシャルルを引き連れ昼間の件を進言したところ、特に渋った様子もなくいつものように危うげに酒を煽りながらマスターは平然とそう言った。
 拒絶されることは無いと思っていたがまさかこうもあっさりと許可が出るとは思っていなかった。
 集落とはいえ一応ギルドという組織である以上面倒な手続きやら申請やらを覚悟していたのだが。
 ギルドに所属するのが初めてな以上、身内の個人的な用事にどういった措置が取られるのかはしらないが、これはゆるすぎるのではないだろうか。

「や、やけに簡単に許可してくれるのですねマスター。しかも明日って……ギルド内での僕やウェンディちゃんの役割なんかもあるんですから」
「構わん、このギルドに急ぎの用、などというものは基本無いに等しい。それよりはせっかくの貴重な情報、それも多少の遠出の必要があるとなれば急いで損はなかろう」

 だろう、といわれると僕やウェンディちゃんは頷くしかない。
 僕は今までなら特に気にすることもなく今回のような場合ならばその日のうちにそのササナキという町に赴き事の真相を確かめていただろうし、ウェンディちゃんは自分の親探しに協力してくれる人物が先日入団した矢先なのだから同じくすぐにでも赴きたいといった様子。
 ギルドの仲間たちの中で特にウェンディちゃんといる時間が長く保護者のような立場のシャルル(年齢は大分下らしい)も、昼間の話を聞いてからしつこく詳細を尋ねていたし聞くまでも無いだろう。

「それに、少々気になることもあるのだ」
「気になること?」

 傾けていた酒を置き、しっかりと飲み込んだマスターが少し真剣な目でポツリと呟く。
 ウェンディちゃんは聞き返していたが、正直言って僕もササナキという町の詳細を聞いた辺りで少々気になっていることがあった。

「先日、シュ
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