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彼女はいつか嘘に笑う

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艶やかな黒髪をばらまき、ようするに僕の部屋のベッドに寝転がり石波美波は窓の向こうを見て言った。

「私、雨嫌いなのよ。どうして、ですって?はぁ……朝人はどうしてそう野暮な事を聞くのかしら。まるでデリカシーがないわね。女の子にはまずモテないわね。あぁあなた、さては童貞ね?」

ちなみに石波美波は幼馴染で、僕と同じ高校の二年。
美波は昔から毎日かかさず僕の家に来て何もせず帰っていく。僕は携帯電話を手に彼女を見た。

「僕は何も聞いていないし、無理に人の悪口を捻り出してあげく僕を童貞と決めつけるんじゃない」
「あら、意外ね。朝人のような男が経験済みなんて。世も末だわ」
「末なのはお前の頭だろ」
「それはそうと、年齢=彼女いない歴の貴方は誰をぶち抜いたの?母親かしら」
「……ちょっと想像しちゃっただろ!お前の罪は重いぞ!」

嘘はバレる。

「母親で興奮したの?とんだ変態ね」
「してねえよ!寒気が走ったわ!」
「母で発情する狼さんと部屋で2人きりなんて、私、なんて勇敢なのかしら」
「狼さんは童貞だし、いまさら2人きりでドキドキするなんてことはないだろ」

僕と美波は男女というより兄妹に近いのかもしれない。確かに美波の容姿は黒髪ロングのお淑やか巨乳美少女だが、兄妹のような彼女に手を出すだなんてそんな間違いは起きるはずもないのである。ちなみに僕はこんな妹がいたら色んなストレスで倒れるだろう。つまり前言撤回。単純に臆病なので手なんて出せないのだ。そんなわけで。

「確かに、童貞は童貞だものね。クソチキンの童貞だものね童貞」
「僕の名前を情けなく改変するな!しかも四回も!」
「相変わらず元気の良いツッコミね。そっちのツッコミは上手くいくのにね」
「なんの話だ!」
「……元気が良すぎるのも考えものね。下品に見えるわ」
「どっちがだよ!」

はぁはぁと息切れする僕を尻目に美波はベッドから身体を起こした。
それから白く細い指で透明のテーブル(お気に入り)の上のキャベツ次郎を摘んだ。僕も暫くしてそれに習う。

「美波は、今日、いつまでいるつもりだ?」

普通に聞いた。

「さぁ?狼が来るまでじゃないかしら」
「狼はこないだろ。ここにいるのはキャベツを食す草食動物だけだ」
「……そう、ほんと童貞を拗らせて一生自慰行為に精を出して56歳の誕生日にテクノブレイクすればいいのに」
「不吉だ!」

冗談じゃないぞ。
そんな死に方ごめんだ。
週3に減らそう。

「ところで朝人ティッシュはどこ?」

ああ、キャベツ次郎は手が汚れるからな。

「枕元のゴミ箱の隣」
「毎回位置が変わる、わね」
「……ちょっと待て、お前が見てるそれはティッシュの箱じゃない。ゴミの箱だ」
「何を言っているの?この箱に
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