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星の花
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第一章

                        星の花
 夜の神はこの時とても悩んでいました。
 何を悩んでいたかというとです。恋をしていたのです。
 彼が好きなのは朝の女神です。輝やかんばかりに美しいその女神にです。恋心を抱いていたのです。
 それで何とか彼女を振り向かせたいと考えていました。しかしです。
「どうしたらいいのだろう」
 それがわからないのでした。
「一体どうしたら朝の女神は振り向いてくれるのかな」
 こう考えていたらです。いつも彼と一緒にいる梟が彼に言ってきました。梟は夜の鳥なので彼に仕えているのです。だから一緒にいるのです。
 梟は大きな丸い目を動かしながらです。夜の神に言いました。
「それならですね」
「何かいい考えがあるのかい?」
「贈り物はどうですか?」
 夜の神にこれを勧めるのでした。
「それを贈れば女神様も振り向いてくれますよ」
「贈り物をかい」
「はい、どうですかこれは」
 あらためて夜の神に言います。
「悪い考えじゃないと思いますけれど」
「そうだね」
 夜の神も梟のその言葉に見るべきものを見出しました。
「そしてその時に好きだって言えば」
「ええ、かなりいいとおもいますよ」
「よし、決めたよ」
 夜の神は梟の言葉を受けることにしました。
 そうしてそのうえで、です。梟にさらに尋ねるのでした。
「それならだけれど」
「はい、それなら」
「何を贈ればいいかな」
 贈り物をするとなればです。次に考えたのは何を贈るかでした。梟に対してこのことを尋ねたのです。尋ねずに入られませんでした。
「朝の女神に。何を」
「そうですね。奇麗なものがいいですね」
「奇麗なもの?」
「女の人っていうのは奇麗なものが好きですから」
 だからだというのです。
「ですから。それを」
「奇麗なものかい」
「それに女神様が持っていないものですね」
 梟はこんなことも言いました。
「その二つの条件が合さっているものなんてどうですか?」
「奇麗で。そして」
「はい、女神様が持っていないようなものです」
「ううん、そんなのがあるのかな」
「あると思いますよ」60
 梟は腕を組んで考える顔になった夜の神に対してまた言いました。
「だって何でも持っているのって」
「いないっていうのかい?」
「神様でもそんな方いないじゃないですか」
「そういえばそうだね」
「誰でも何かを持っていて何かを持っていないんですよ」
 梟は夜の神の前で話します。
「だからですね」
「ううん、そうは言っても」
「あとは」
「あとは?」
「夜の神様が持っているものなら話は簡単ですよね」
 今度はこのことを指摘するのでした。
「そういうものなら」
「僕が持っているものか
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