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黒魔術師松本沙耶香  銀怪篇
9部分:第九章
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第九章

 翌日はまずはその二人のについて調べていた。CDショップのインディーズのコーナーに行くと早速二人のCDが目に入って来た。
「シルバーデビル、ねえ」
 CDに書かれているユニット名を見て呟く。
「名前は何かパンクかヘビメタみたいね。外見も」
 赤いロングヘアの目の細い細面の女に染めた金髪をショートにした顔と目が丸っぽい女がそこに映っていた。服は二人共黒だが細面の女はゴスロリで丸い顔の女はパンクであった。それが少しアンバランスな印象を受けた。
「お客さんその二人のファンですか?」
 CDを見ていると店員が声をかけてきた。
「最近名前をよく聞くから」
 沙耶香はそれに応えて言った。
「どんなグループかと思ってね。二人組だったのね」
「はい、最近急に名前が売れ出したユニットでして」
 店員はにこやかな笑みを浮かべてそう説明した。
「CDも売れていますよ。メジャーなグループと変わらない位に」
「そうなの」
「ええ、試聴されますか?」
「そうね」
 提案されてその気になった。
「それじゃあそうさせてもらおうかしら」
「それでは」
 店員はそれを受けてCDをステレオに入れヘッドホンを沙耶香に手渡してきた。
「どうぞ」
「有り難う」
 沙耶香はヘッドホンを被って曲を聴きはじめた。曲はジャケットの写真から想像がついたようにパンクであった。
「パンクね」
「他のジャンルの曲も歌いますけれどね」
 店員が答えた。
「このCDではパンクなんですよ」
「そうなの。ふん」
 歌がはじまった。それに耳をすませる。
「成程ね」
 聴いて頷く。歌はうまい。それも二人共。これなら人気が出るのも当然だと思った。
「いい感じね」
「そうでしょう。だから人気があるんですよ」
「曲はこんなものかしら、と思うけれど歌はいいわね」
「ええ、二人共。作詞は宮原紀津音、作曲は千葉理子ですね。この曲は」
「二人で曲も作っているのね」
「まあ大抵のバンドがそうですしね。二人もそれは同じです」
「アイドルとは違うのね」
「ええ。彼女達は少なくともアイドルではないですよ。また違う存在です」
「アーテイストって言うのかしら」
「簡単に言えば」
 店員はそう答えた。
「そうなりますね。作詞と作曲が入れ替わることもありますし」
「どちらも作詞作曲ができると」
「だからいいって言われています。どちらも才能があって」
「よくそれで喧嘩にならないわね」
「仲は凄くいいみたいですよ」
「そうなの」
「二人が言うには相性がいいからって。そういう話です」
「それは少し意外ね」
「それは何故」
「名前よ」
「名前!?」
 店員は沙耶香の言葉に首を傾げさせた。
「どういうことですか?それって」
「わからないかしら
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