暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】例えばこんな生活は。
例えば箒にはこんな未来があったんだろ
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
からないけど、受け入れたい。

「昔みたいに笑ってほしいな。あの花咲くような箒ちゃんの笑顔がまた見たい。ウエディングドレスを着てたら、きっと今まで以上に綺麗だと思う。だから………えっと、その」

 こんな歯が浮くようなセリフを言うのは初めてだ。オウカには自分の中身をぶちまけただけだったから……でも、これもやっぱり俺の本音ではある。このまま彼女が好きでもない男とくっついてしまい、二度とあの笑顔を見れないくらいなら……言ってしまおう。

「俺の為に、人生でいちばん綺麗な花嫁姿の笑顔を見せてくれますか?」

「……そんなお前が大好きだ、ゴエモン」
「むぎゅ」

 今度はちゃんと呼吸できるように抱きしめられた。
 小さな涙を溜めながら花咲いた箒ちゃんの笑顔は、オウカやジェーンのそれに負けず劣らず綺麗だった。
 


 = おまけ 感想返信で書いたifをここにも載せておきます =



「ゴエモン……私を嫁に貰ってくれないか」
「先生、飲み過ぎです」
 
 俺は20歳になった。千冬先生は今年で29だ。だから居酒屋で酒も飲める。
 が、酒の場とはいえ先生がいきなりそんなことを言い始めれば俺だって流石にスルーしたくなる。

「何故だ……同僚たちが次々に男を捕まえ、真耶だって恋愛に奥手だった癖にいざ旦那が出来るとノロケ三昧。なのに何故私にはいい貰い手がいないのだ……これも全部束が悪い。束と同類のお前が責任を取れ。おのれ、クレアが男ならばぁ……ひっく」
「うわぁ、本格的に出来上がっちゃってる……」
『………(哀)』

 クレアちゃんも憐れむこの落ちぶれよう。なお、クレアちゃんは必要な時以外人型化しない。人型化する必要というのは大抵先生が酔い潰れた時だが。
 ぶっちゃけ先生の旦那探しは前から難航している。というのも、知名度が高すぎて政略結婚や一方的すぎる好意が多くてなかなかいい人が見つからないそうだ。千冬自身、恋愛経験が皆無なために「この人だ!」とくる男を見つけかね、気が付けばアラサーという訳だ。

「ゴエモン!私はこれでも20代前半にも劣らないくらい若いよな!?」
「アッハイ。俺の学生時代と比べるとむしろ色っぽさが増したような気さえしますね」
「だろう!一夏もいつも何故私が結婚できないのか不思議でしょうがないと常日頃から言っている!」
(そのおりむーも問題なんじゃ……学校を卒業してからは完全にベッタリで一夏が旦那みたいなものだしなぁ)

 ブラコンとシスコンが交わり磐石に見える織斑家。結婚すると弟が姑みたいにひょこひょこ付いてきて家事までするとなると、気まずいことこの上ないだろう。愛ゆえに、先生は苦しねばならんのだ。
 かといってまさかおりむーが先生を貰うわけにもいくまい。法律的にも道徳的にも。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ