暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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違いになるリスクも考慮すべきだろう。
行くべきか。
それとも待つべきか。
うんうんと唸る少年に与えられた答えは、予想不可能なところからやってきた。
『――――ヤ…ァ……』
奇妙な陰影が堕ちた、男か女かとっさに判別できない中性的で、しかしどこか澄んだ調子の声が奇妙なエフェクトを伴って響き渡った。
背
(
・
)
後
(
・
)
か
(
・
)
ら
(
・
)
。
「――――――ッッッ!!!!?」
ゴアッッ!!という音が大気を震わしたのは、少年が数十メートル《後ずさり》してから数秒経ってからだった。
その《光景》を正しく、はっきりと認識したのは、それからどれぐらい経っただろう。
つい先刻、零距離斉射にてHPをスッ飛ばしたプレイヤーの《死体》。その肩口から、奇妙なモノが屹立していた。いや、立っていた、という表現は、厳密に言えば正しくない。
そう。
強いて言うならば、《生えていた》。
例えるのであれば、ちょうど舗装されたアスファルトの道路から顔を出す逞しい木を想像してもらいたい。ここで重要なのは、草ではないということ。草というのは、アスファルトと塀の間に開いた僅かな隙間から生えてくるが、樹木はそれとは違って自らの力でアスファルトを砕いて生えてくる根性を持ったものがいる。
ちょうど《ソレ》は、そんな感じだった。
高さはちょうど、定礎である肩口の高さを抜いてもおおよそ二メートル弱。肩口をばっくり裂いている《根》から伸びる《幹》といっていい部分は一本ではなく、複数のツルが互いに巻き付き合って一本に見えているらしい。
そして、先端部。全体を通して鮮やかなイエローに仄かに輝く中で唯一、墨でも塗りたくったかのように艶のないマットブラックになっている先端には、バスケットボール――――いや、もう一回り小さくてバレーボールくらいの球体が構えていた。
表面には迷宮のような細かい毛細血管が這い回り、それらが一律の間隔でどくん、どくん、と蠢動する様はある種の生物的生々しさを感じる。前面には横一文字にびしりと大きな割れ目が走っており、その奥から得体のしれない気味悪さをまき散らしていた。
「な……ん…………」
とっさに二の句が告げない少年に対し、ギヂギヂと球体は僅かに身を震わし、表面の割れ目の中央部分をこちらに向ける。
次の瞬間。
ぐばり、と。
割れ目が縦に開き、その奥から反面眩しいほどの――――おぞましいほどの白い表皮が顔を出した。その中央には血の色を連想させる真紅の真円がある。
それは眼球だ、と回転の止まった脳が理解するまで若干のラグがあった。
続いて、ソレは陰々としたエフェクトの掛かった声で《喋った》。
『ァ…アー……。ウー…ん、こンな感ジかな
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