暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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は、直径十キロの真円を描く孤島だ。地形は、北部が砂漠で南部が森林および山岳。そして中央には廃墟となった都市が横たわっている。今レンがいるのはマップの一番南にそびえる岩山の奥まった方。連なる山々が織り成す深い渓谷の中だった。
一番近い位置の光点は、同じ岩山の麓に一つ。指先でタッチし、名前を確認する。
表示された名は《シノン》。とっさに脳裏につい昨日双子につっかかられていた、冷たい雰囲気を纏う
狙撃手
(
スナイパー
)
の姿が思い起こされる。
正直これ以上ここで戦闘をしても不毛なことにしかならないような気がするので、シノンはここでは無視することにしよう。狙撃されたなら迎撃するまでだが。
今現在最重要の相手は――――
端末のマップに表示されるすべての輝点を片っ端からクリックする少年の指が、ある一点でぴたりと止まった。
マップのほぼ中央。廃墟と化した都市部にそびえる一際高い高層ビルと重なって、その輝点はあった。
表示される名前は【Saffron】。間違いなく、予選決勝で少年をブチのめしたフェイバルのプレイヤーネームだ。
さらに指先を繰る少年は、島の北西部。東部のほぼすべてを覆い尽くす草原地帯と、北の砂漠帯を分断するように廃都から流れている大きな川の、砂漠側にユウキの名前を発見した。
とりあえず合流したいところだが、いかんせん互いの距離が遠すぎる。ここは、従姉を血みどろの心意戦に巻き込まないという意味でも直線的に中央都市へ向かうべきか。
そうレンが決心を固めたその時、一定時間隠れ続けるプレイヤー防止のために十五分ごとに上空から地上をスキャンする監視衛星が飛び去ったらしく、端末のマップに表示される全ての輝点が点滅し始めた。あと十秒で情報がリセットされてしまう。
一瞬少年は反射的に右手を持ち上げ、リラやミナの名前を捜そうとした。しかし、指先が画面に触れる直前、ぎゅっと拳を握ってふみ留まる。
彼女らは、邪な考えを持ってこの世界、この大会に参加した自分達とは違う。純粋にこのゲームを、この大会を楽しんでいる。心の底から優勝を狙っているのだ。その邪魔はしたくはないし、願わくば本戦中に会敵しなければいいとさえ思う。
明滅していた光点達が、音もなく消える。レンは端末を再びバックパックに吊るすと、周囲を見回しつつ立ち上がった。
岩山の急な稜線はやがてなだらかになり、その先はだんだんと緑が見えている草原エリアとなっている。地図上ではその先を真っ直ぐ北に進むと、フェイバルのいる廃都にたどり着くらしい。
予選での口ぶりから察するに、向こうもこちらを捜しているだろうから、当然待っているはずもなく。もしあちらが別ルート――――例えば多少大回りになるが南東の森林を通過し、山岳地帯にやって来ることもありうる。最悪、入れ
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