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ヨコハマA・KU・MA
第一章
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うして彼にだけ意地悪をするのか、それがだった。
 このことがわからない、しかしだった。
 それでもだ、その彼にだけはなのだ。
「彼にはするのよ」
「全く、どういうことだか」
「そうするあんたもあんただけれど」
「その我儘、意地悪を聞くあの人もね」
「彼もどうなのかしら」
「寛容過ぎる?」
「それとも大人なのかしら」
 彼は私達と同じ歳だ、ついでに言えば同じ学校だ。それでよく合っている。それでデートをする機会も多い。
 けれどだ、確かにだった。
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