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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第174話 避けゲームと撃ちゲーム
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る。だから、遅れが生じてしまうのだ。
だが、彼女は一切止まらず、巧みに躱していく。
かなり高いステータスの、高い
敏捷値
(
AGI
)
の持ち主だと言う事が判る。
「……(あの動き、多分予測線はみてない。……見てるのは)」
フードから、表情がでそうになったから、慌ててフードをかぶり直しつつ、思う。
おそらく、あの動きをする為に見ているのは、撃ち手の《眼》だ。
眼から射線を読んでいる。そのやり方はよく判っている。
あの世界、ALOの世界で魔法や弓、遠距離系の攻撃を回避する方法を散々あの男と議論したからだ。勿論、特殊な技は使わずに、あくまで技術の範囲内で。
この世界、カーディナル・システム上で動作するVRMMOのモンスターは全て、照準箇所に寸分の狂いもなく視線を向けるという特性を与えられている。
――……勿論、眼に類する器官を備えている場合に限られる。
『まぁ、それならオレにも出来そうだ』
『……だな』
『ムカッ!』
と言う事もあり、習得する事が出来たのだ。
そして、それらを回避、弾くするまでに昇華させる事が出来た。片方は、不正ギリギリの業を使わずに、だ。気持ちの良いモノだったと記憶している。
思い返している間に、勝負は終わっていた。
あの少女は、NPCの視線から読んだ最悪の手、実弾銃では撃てるモノじゃないノーリロードのレーザー6連発。開発者の意地の悪さが露呈する様な仕様だったが、難なく跳躍で回避し、あのNPCガンマンに触れ。
「オーマイ、ガーーーーーッ!!!」
流暢な英語を発音させていたガンマンがなんだかエセだと思える様な発音で、大げさに絶叫、そして地面にがくりと膝をつき、ファンファーレの嵐が巻き起こった。それに混ざってガラガラ!と言う音が響き、ガンマンの背後にあった建物の扉が開く。
その奥から金貨が雨の様に、ザラザラと流れ出してきた。
「……初めて見たが、壮観なものだな」
金銀財宝が雨あられの様に降り注ぐ。
……降り注ぐ、と言うよりは無理矢理押し込んだ荷物が、その重さに耐えられずに雪崩の様に出てきた、と言うイメージに近い。それでも、この世界ではもちろん、現実世界でも使えると言うのだから、更に一段階、重みも増すというものだ。
そしてそして、彼女の周辺には一気に人だかりが出来る。
「あ、あなた、どう言う反射神経してるの? 最後のヤツ、……目の前……2mくらいからのレーザーを避けた……あんな距離だともう、弾道予測線と実射撃の間にタイムラグなんてほとんど無いはずなのに……」
人だかりの中で、少女のモノであろう声が聞こえてきた。確かにその通りだ。そもそも距離を詰めているのに銃弾を避けるのは現実味に欠
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