第二章
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その彼等を見てだ、ウィッグストンはオーフェルに提案した。
「僕達も着ないかい?」
「あのラバラバを」
「この服でも暑いからね」
水着の上から着ているのは半袖のシャツと膝までの半ズボンだ、リバプールでは考えられない格好だ。だがそれでもだったのだ。
「だからね」
「ここはあえてラバラバを着て」
「快適に過ごさないかい?」
こう提案するのだった。
「是非ね」
「確かに。この格好でもね」
オーフェルも言う、サモアのその暑さを感じながら。
「暑いね」
「それじゃあね」
「お店でラバラバを買ってだね」
「そのうえで快適なバカンスを楽しもう」
サモアにおけるそれをというのだ、そしてだった。
二人は実際に服の店に入ってそこでラバラバを買った、そこで太った現地の叔父さんであるエネシ=テレさんにこう言われた。
「水着は脱がなくていいですよ」
「このままでいいんですね」
「水着ははいたままで」
「はい、昔は素肌のままで着ていたんですが」
青で白い花模様が入ったラバラバ姿でだ、エネシさんは慣れた英語で二人に話した。
「今は下に半ズボンを穿くんですよ」
「下着とかですね」
「ちゃんと穿くんですね」
「さもないと見えますから」
笑ってだ、エネシさんは何が見えるかは言わなかった。
「ですから」
「それで、ですね」
「水着はそのままで」
「そうしていいですから」
「わかりました、じゃあ水着はそのままで」
「ラバラバ着させてもらいます」
二人も頷いてだ、そしてだった。
二人は服を脱いで水着だけになってからラバラバを腰に巻いた。靴は最初から穿いていたサンダルであった。
その服になってだ、ウィッグストンは笑ってこう言った。
「うん、これはね」
「涼しいね」
「いや、快適だよ」
こうオーフェルに言う、彼は黒いラバラバでオーフェルは白だ。二人のラバラバはそれぞれ奇麗な模様が入っている。
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