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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第173話 乙女?の怒り
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るのは……。む、そろそろ町に戻った方が良いか。情報収集もあるんだ」
リュウキは、そう呟くと、あくまで無視しながら立ち去ろうとする。
「コラァァ! 無視するなっ!」
前に立ちふさがるのは自分よりも一回りも二回りも大きい身体の持ち主。……リュウキは、フードの中に隠された表情から、その男の身体と顔を視る。
「……(羨ましい)」
リュウキは、そう考えてしまっていたのだった。この来訪者達の姿を見て。……その男らしい姿に憧れちゃって。
「ああ!? 何ブツブツ言ってんだ。舐めた態度とりやがって!」
どうにも、さっきのが相当お気に召さなかった様で、ご立腹な様だ。そんなもん知ったこっちゃない、と言うのが率直な気持ちだが。
「……(
対人戦
(
PvPer
)
しとくのも悪くない、か)」
リュウキは、くるりと周囲を確認。
確認できる数は6人。初期装備の
初心者
(
ニュービー
)
相手に、
狙撃手
(
スナイパー
)
をバックアップさせているとは思えないが、警戒する事に越したことはないだろう。気配を一通りは探った。
「ま、金目のモノ置いてけ、なんていわねえよ。ただ、こっから町までは、戻してやるよ。希望通りよ?」
この世界での移動手段は、乗り物と自分の脚しかなく、ワープ手段等はない。つまり、町へと戻るのは死に戻りだけになるのだ。
この世界で、
初心者
(
ニュービー
)
を倒して得する事等は特に無い。アイテムを持っている訳でも、レアな装備を持っている訳でもないからだ。が、今までのMMOでもずっと続いているのが、この《初心者狩り》だ。
ある者はスコアを伸ばす為やボーナスを得る為。
そして、何よりもストレス解消と言うのが当て嵌る。
これまでのMMOの様に画面越しじゃなく、実際に体感しているから、その効果は以前までの比じゃないのだ。薬物依存症、とも言える程に身に染みてしまい、更に現実へと還っていく事を考えたら、最悪極まりない行為だ。
「はぁ……」
各ゲームで、この手の相手には何度もあった事はある。どんなゲームでも、何処の世界でも、共通して言えるのは不快感MAXであり、胸糞悪い事だけだ。
「何ため息ついてんだよ! 初心者が!」
男の1人が、蹴りを入れようとしたその時。リュウキは、その脚を腕で受け止めつつ……。
「……はぁっ!?」
そのまま、すべり込ませる様に胸倉にまで手を伸ばした。そのまま、背負いなげをする要領で、地面に叩きつけた。“ズガっ!”と言う音と共に、その華奢な身体からは考えられない力が出ていたのか、砂埃が高くにまで舞った。
「全くをもって、面倒臭いが、まぁ 良い。記念すべき最初の相手だしな。……胸糞悪いが、この世界なら、スタンダードかもしれない」
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