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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第172話 似た者同士
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返った。
「……悪い。こんな外見してるが、俺 男なんだ。ネカマじゃない。……っっ!!」
ため息を盛大にしつつそう断る。それと、同時に急いで自分の胸部を弄った。
幸いな事に、その場所は女性である証はなく、ただの平べったい胸板でネカマじゃないと言った瞬間、予感した恐怖の性別逆転事故は起こっていなかったことに心底安堵した。
「ほっ……」
「へ? ……って、じゃあそれ、M9000番系かい!? 噂にしか聞いたことない幻のアバターだよ! それ!! それなら、4、いや5は出す! う、売ってくれ! ぜひとも!」
「………」
正直、またこの男の手を握ろうとしてしまっていた。ネカマじゃないし、現実でそんな趣味もないと強く断言できるのだが……、辛うじて手を引っ込める事に成功。本当に願ったり叶ったりで、外見を無償で提供する、と言いたかったのだが、そうはいかない。この一見華奢で、弱々しい女性……と言えば、かの世界の線は細いがその細い線に似た獰猛な細い剣を振るい、敵を屠っていた彼女達の事を思えば失礼だ、とも思ったが、この身体にはその外見からは考えられないほどの力を内包しているのだ。
何故ならば、初期ではなくコンバートだから。以前にいた世界のステータスデータを受け継いでいる。
勿論、プレイするゲーム世界の能力を超える力は、無いが 殆ど変化無い。
「悪いな。提案は正直ありがたいんだが、これは初期じゃなく、コンバート。 金には変えられない。幾らつまれても」
この姿の中に存在しているデータは、あの世界で培われてきたモノだ。思い出が詰まっていると言ってもいい。それを金に変えることは絶対に出来なかった。
「そ、そうかい……」
「ぁぁ……(まさか、あの噂、本当だったのか……、プレイ時間にアバター外見が依存してるってヤツ)」
そう考えつつ、くるりと身体を翻した。男は、まだ未練があった様で、その場に暫く留まり、大声を上げた。
「また、また気が変わったら連絡してくれ!!」
ダッシュで、追いかけてきて、透明なカード上のアイテムを押し付けてきた。
これは、所謂 ネームカードだ。
キャラ名や性別、そして所属ギルド名などが記録されたカード。それを受け取ると、自然とアドレス帳に追加される仕様になっている。
「はぁ……、なんだか出鼻挫かれた感が凄いする……が、性能の確認はしないと、な……」
かのじ……じゃなく、彼はゆっくりと移動を開始。
自身のステータスは確認したが、体格が違うから、勝手が多少なりともずれてくるだろう。この一瞬に全てが終わる、と言っても過言ではない世界で、それはあまり快くない。覚束無い足取りは、ひじょーに彼らしくない。
そう、彼こそはかの世界で英雄の2人の英雄の内の1人
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