暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ハメツノヒカリ編
ターン32 光の結社とアカデミアー1F−
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、炎獄魔人ヘル・バーナーで氷の女王に攻撃!」
「く、応答しなさい、貴方達……!」

 炎の渦が巻きあがり、氷の女王の全身を包み込む。爆風に巻き上げられて、明日香の場に伏せてあったカード……手札1枚をコストにすることであらゆるダメージを0に抑え込むトラップ、ホーリーライフバリアのカードが見えた。もしも先のターンでアームド・ドラゴン LV5をアドバンス召喚していたら勝負は決め切れず、返しのターンで万丈目の敗北はほぼ確定していただろう。だが、それはもしもの話。手札を使い切った今の明日香にそのカードを発動することはできず、このデュエルは決した。

 炎獄魔人ヘル・バーナー 攻6200→氷の女王 攻2900(破壊)
 明日香 LP2100→0





「天上院君!」

 氷の女王が倒れると同時に気を失った明日香の体を慌てて駆け寄って支え、そっと壁に寄りかからせる。目を覚ますまでそばに付き添っていようかとも一瞬考えたが、まずは清明に連絡を取ろうと思い直して自分のPDFを引っ張り出す。通話モードにしようとしたところで、自分の周りにいる大量の気配に気づいた。それと、最後に明日香が言った不可解な言葉を。

「なるほどな、ずっと見張っていたのか。まったく、人気者はつらいものだ」

 皮肉めかして、いつの間にかあたりを取り囲んでいたたくさんの白い制服の集団に声をかける。どうせ返事は期待していなかったが、意外にも聞き覚えのある声がかえってきた。身長2メートルを超すハングリーバーガー使いの巨人、サンダー四天王のうち十の担当。

「……サンダー、光の結社へ復帰をもう一度お考えください。いくらサンダーでもこれだけの数を相手にできるわけありません」
「フン。天田、清明から聞いたぞ。お前がこのダーク・アームドとメタファイズ・アームドのカードを届けてくれたそうだな。その点に関しては礼を言ってやるが、この万丈目サンダー相手に随分と生意気な口を利くようになったじゃないか。ノース校での50人抜き、お前に忘れたとは言わせんぞ」

 強気な言葉とは裏腹に、万丈目の表情は険しい。これだけの数を相手にデュエルして、はたして自分1人で勝ちぬけるかどうか。いや、勝てるかどうかではない。やらねばならないのだ。清明の言葉を信じるならば、おそらく今の天上院君は洗脳が解けているはず。ならば、この万丈目サンダーが彼女を守らずして一体誰が守るというのだ。それに、もしここで俺が倒れればこいつらはそのまま清明たちのもとへ向かうだろう。いや、ほぼ間違いなくすでに何十人かが向かっているはずだ。せめてあいつらの負担を減らすためにも、この場所で引きつけられるだけの数を相手せねばなるまい。そう自身を鼓舞し、一度下ろしたデュエルディスクを再び構える。

「……さあ、まとめてかかって来い!
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