暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ハメツノヒカリ編
ターン32 光の結社とアカデミアー1F−
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ームド・ドラゴンがレベルアップしたとしても、LV5だけでは明日香の場に存在する大型モンスターを全滅させることはできず、彼女のライフを削ることもできない。LV5が出せるのは確定として、そこからいかに試合の流れを変えるのかはこのドローにかかっている。
 それを確認しながらデッキトップにかけた手が、かすかに震えているのを彼は感じた。だが、それは恐怖や怯えといった負の感情ではない。ギリギリの戦いを、彼は今全力で楽しんでいるのだ。

「俺のターン、ドロー!」
『がんばれ、万丈目のアニキ!』
「無駄よ、どんなカードを引いたとしても……」
「それはどうかな?」
「……なんですって?」

 その問いにはふてぶてしく笑ったのみで答えることなく、アームド・ドラゴンを指さした。

「まずはスタンバイフェイズに、こいつの効果を発動。このカードを墓地に送ることで、デッキまたは手札のアームド・ドラゴン LV5へと進化する。俺が呼び出すのは、手札からだ。さあ進化しろ、アームド・ドラゴン!」

 まだまだ子供だったドラゴンが成長し、より筋肉もつき全身の棘も固く鋭く、戦闘向きの体へと変わっていく。これでもまだアームド・ドラゴンという種の中では若輩にすぎないのだが、それでも十分実戦に耐えうるだけの力を持っているあたりいかに戦闘向きの生物なのかがわかる。

 アームド・ドラゴン LV5 攻2400

「さらに魔法カード、死者蘇生を発動!このカードで俺の墓地から、炎獄魔人ヘル・バーナーを特殊召喚する!」

 足元から地獄の炎が噴き上がり、その中心から6本足のトカゲか恐竜のような姿の化け物に人型の上半身を無理やりくくりつけたような悪魔が這いあがってくる。下半身の化け物についた目も鼻もない口だけの顔がいびつに歪み、辛うじて笑っているのだと判別できるような邪悪な表情を形作る。

「ヘル・バーナーの攻撃力は相手フィールドのモンスター1体につき200ポイントアップする代わりに、自分フィールドのモンスター1体につき500ポイントダウンする。本来は差し引き500ポイントしか上がらないがここで魔法カード、受け継がれる力を発動!自分フィールドのモンスター1体を墓地に送ることで、その元々の攻撃力ぶん他のモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズまでアップさせる!アームド・ドラゴンよ、ヘル・バーナーに力を託せ!」

 炎獄魔人ヘル・バーナー 攻2800→3800→6200

「攻撃力6200!?」
『その調子よ、アニキ〜!』

 ただ座ってるだけの癖になぜかドヤ顔で上から目線な声援を送るおジャマ・イエローのトークンに一瞬、攻撃対象をそっちにしてやろうかという衝動が湧きあがるが、それをなんとかこらえて目の前の氷の女王を見据える。

「帰ってくるんだ、天上院君。バトル
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