ハメツノヒカリ編
ターン32 光の結社とアカデミアー1F−
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くまで新しいカードを手に入れた、程度の言い方にとどめておいたけど。
「……とまあ、こんな感じかね。だから今日はずっと何か起きないかと思って待ってたんだけど、この様子だとエドも駄目だったみたいだし」
「ちょ、ちょっと待てよ。そんな大事なことなら、俺たちに教えてくれたってよかったじゃないか」
あ、そーゆーこと言っちゃうんだ。だったらこっちにも言いたいことはある。
「こう言っちゃ悪いけど、お互い様さ。何があったかあえて聞く気はないけど、十代も今日は何かやってたんでしょ?それもかなりの大事を。もう長いこと暮らしてんだから、そんなの嫌でもわかるって」
まったく、まさかばれてないとでも思ってたんだろうか。赤の他人ならいざ知らず、毎日嫌でも会うことになる僕に隠し事なんて通用しないってのに。
「う。……実は今日お前が出発してからミズガルド王国のリンドさんって人が来てその人が教えてくれたんだけどよ」
オージーン王子。レーザー衛星『ソーラ』。そしてその鍵を、今は十代が持っている。なんたることだ、スケールが大きすぎてなるほどね、としか言いようがない。斎王め、ただのデュエルモンスターズが強い宗教の教祖かと思ってたら、随分ととんでもない話になったものだ。
「悪い、黙ってて。でも、これで俺が知ってることは全部だ」
「いやいや、こっちこそ何も言わなくてごめん。でも、だったらなおさら急がないと。せっかく人生貰ったのに、自分勝手に世界ごと終わらせられたらいい迷惑だ」
僕がいま生きているのは、チャクチャルさんに死の淵から引っ張り上げてもらったから。このことは常々感謝してるし、だからこそ胸張っていけるような生き方をしたい。少なくともここまで聞かされてまだ動かないようじゃ、僕はこの先後悔するに決まってる。
……いや、そうじゃない。そこで思い直した、後悔ならもうしているか、と。もとはといえば今日、僕はエドが勝つって最後まで信じたくて、そのせいで今日の昼にでも突撃すればいいところをこんな時間まで引き延ばしたんだ。もっと早く行けばあるいはエドと合流することだってできただろうし、少なくとも今みたいにエドの安否すら不明なんて状況にはならなかったはずだ。たとえ本人が嫌がったって、1発ぶん殴ってでも単独行動をさせないべきだったのかもしれない。
『マスター、兵は拙速より巧遅を尊ぶ、という言葉が古代中国にはあってだな。例え一手や二手遅れたとしても、その分正しい戦法を選ぶことが勝利に繋がる、といった意味だ。今やるべきは迷うことより、本当にすべきことを見極めることだ』
思考が1人でどんどんネガティブな方向に向かっていくのを見計らったようなタイミングでかけられた、チャクチャルさんなりに気を使ってくれたのであろう言葉が、ただ有難かった。それのおか
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