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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼とマケンとホッケー対決
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 元? マケンキ?  ……海童はそう問いたかったが、彼が口を挟める空気でもなく、そして嘴を入れられる間もなく話は進んでいく。


「何しに気やがったって聞いてんだろうが! テメェ!!」
「実と同じ質問だが、幾ら同じでもボクが男相手に答える義理はない。……と、言いたいところだが今回は特別だ」


 赤耶と呼ばれた男性は何故か持っていたバラを胸ポケットにしまい、拳を握り睨み付ける玄の視線を受け流しつつ、傍を通り抜ける際に短く答えを口にした。


「今日からこの天日学園で臨時講師をする事になったの……ヨロシク頼むよ、マケン鍛冶師君」
「んだと!?」


 度重なる驚愕に目をむく玄を一瞥し、赤耶は胸下に手を添え楓蘭へ恭しく礼をした。


「コレはコレは美しいお嬢さん。あなたが統生会の、マケンキの会長ですね? 宜しければ統生会室まで案内していただけませんか?」
「えっ……な、何故それを―――」
「アタシが教えた。兎も角連れてってやれ、留学生の紹介もあるだろうし」


 戸惑いながらも楓蘭は頷き、赤耶と軍服姿の少女等を連れて、統生会室の方へ歩いて行く。

 ……秋と擦れ違い目が合うその瞬間……別段色を浮かべていなかった目に、僅かに違うモノを映したが、戸惑っている海童にはそれすらも感じ取れなかった。

 彼等が小さくなってから、漸く海童は玄へ声を掛ける。


「さっき、元マケンキと言ってましたけど……此処って去年まで女子高だったんですよね?」
「……そんなの簡単だ。此処は元々共学だったんだよ」
「開校してから三年間だけね〜」
「彼と私たちは……元マケンキのメンバーで、“初代”マケンキだったの」


 開校してから三年間だけ―――その単語が、海童の脳裏に引っ掛かった。

 イヤらしい目で見られるから……という理由では、世界に散らばるエレメントを扱える能力者の内で、男だけを払いのける理由にはならない。
 そうなると、答えはおのずと限られてくる。


(……まさか、な……)


 ―――― “最悪の答え” を浮かべた海童は軽く頭を振って払いのけ、幾ら統生会の一員とはいっても所詮一生徒である自分が、今はこれ以上突っ込む事では無かろうと……何より容易に聞けるような雰囲気ではないのも相俟って、あがってくる声を無理矢理飲みこんだ。



 秋と豊華もまたそれぞれ学園長室を離れたのを見計らってから、海童は一先ずうやむやになりかけていた『マケン』の話を持ち出す事にした。


「玄さん、それで……俺の『マケン』の事なんですけど」
「あ、そうだった! そうだったな! 忘れてたぜ、悪い」
「へぇ〜海童のが完成したのか! ……漸く」
「漸く言うな!?」


 実へ向けて怒
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