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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼とマケンとホッケー対決
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ッちゃんも、とうとう正真正銘の『マケン』持ちね」
「やったじゃねぇか海童!」
「ああ……これが、俺の『マケン』……!」


 海童の感動たるや、隠せぬ歓喜の窺える目で減の手の中に光る、角の一切ない真ん丸な宝石にも見える、新作『マケン』を一心に見詰めている程。

 取りあえず詳細を説明しておこうと、玄が得意げな顔で咳払いを一つかました―――――その時だった。



“《バラバラバラバラバラバラバラバラッ!!》”

「「「「!!」」」」


 彼等の頭上に轟音を立てつつ飛来するヘリコプターが通ったのは。
 思わずといった感じで四人とも見上げ、徐々に近付いて来るソレを見やり続ける。

 学園近付いたヘリは着陸できる場所を探す為か、暫く上空をゆっくりと旋回していたが……いきなり時計塔近くという中途半端な位置で滞空し、エレメントか若しくは『マケン』の力なのか空中に透明な階段が姿を現す。

 そしてヘリから数人がその透明な階段に脚を掛け、男性と粗油所数名が時計塔の学園長室ベランダまで歩いていった。


 学園長室へ態々そんな道を通ってくのだから、かなり特殊な待遇の人物である筈。
 しかし海童も碓も春恋も、彼等に対し特に見覚えなどなかった。


「な……アイツはっ!?」


 しかい玄だけは如何も違った様子で、降りてきた人物達―――特に男性の事を驚愕の眼で凝視している。

 そちらを見たまま暫し体を震わせ……振り向く事無く海童へ言葉を発する。


(わり)い海童、『マケン』の詳細は向こうで語るからよ……ついて来てくれっ!」
「え、ちょっ……!?」


 行き成り駈け出した玄に戸惑いつつも春恋が、それに続いて首を傾げながら海童が、最後までヘリを見ていた碓も続き、玄を先頭に時計塔まで走って行った。


 ……だが、すぐに学園長室へは寄らない。


 まず職員室海童らの担任である雨渡豊華に声を掛け、彼女も玄が興奮し急いている理由を、短く語られた一言ですぐに察したのか、すぐさま走り出す彼の後ろへついていく。

 統生会にも寄ったが同じく言葉を理解した二条秋と、用事があるらしい楓蘭のみ連れ出し、春恋と碓は其処で分かれ……しかし海童もまた玄が走る理由を最後まで聞けぬまま、学園長室の前までたどり着いてしまった。


 玄は走る勢いそのままに扉を押しあければ、部屋には何時も通りジャージ姿な実と、軍服姿の男性、そして同じく軍服姿の少女等きれる息を整えつつ部屋にいる軍服姿の “彼” を睨みつけた。


「ハァ……ハァ……おまえ、何でいまさら此処にきやがった――――― “赤耶(あかや)” !」
「へぇ……豊ちゃんに秋、オマケに玄までとは……()マケンキメンバー勢ぞろいだね
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