彼とマケンとホッケー対決
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程腰が抜けてしまって中々立てず、女子生徒達も気絶寸前な為防御が取れず、最早海童を止める者など居はしない。
その拳に力が溜まり、今解放される―――――!
「―――で、その時に割り込んできたのが春恋先輩で……」
「そん時起きたのが謎の地震、って訳か」
笑いながら視線が向けられた先には、興奮が収まったのか何とも気まずそうにする海童が居る。
要するに……傍目は殺る気満々な海童の頭に春恋の鉄槌が下り、行き場の無くなった衝撃波がポン! と間抜けに弾け、それでやっとこさ事件は収束を見た……らしかった。
碓曰く、海童の頭からは何とも良い音が響き渡り、強烈な悲鳴が空気に吸い込まれていったのだと言う。
尤もな仕打ちだと思うのと同時、事の発端を考えれば何とも嫌な自業自得である。
よく見るとタンコブが幾つも出来ているので、止めた際に喰らった一発では済まなかったのだろう。
「確かに詳細を聞いたらムカッと来るだけでは済まなそうだったし、カッちゃんだってまだ高校一年なんだから、そりゃ我慢できなくなる気持ちも分かるわ。だからってアソコまでやる事ないでしょ?」
「……おう」
「おう、じゃなくて!!」
口調は中々戻せないのか、少々ぶっきら棒に答える海童……だが、この時にその答え方は不味かった。
そして、軽くは無い打撃音が響く。
手慣れた動作で竹刀を構えた春恋に、思い切り脳天を打たれたのだ。
が……一応目に入っていたのに避けなかったあたり、罪を自覚していると見える。
「いっでぇっ!? ……わ、わかった! 悪かった、本当にに俺が悪かった!」
「なら今度の休憩時間、あの子達にきちんと謝ってくる事! いいわね」
「……あぁわかってる……俺も、やり過ぎた……」
バツが悪そうに頭をかきながら海童は春恋の方を向き、もう子供染みた言い訳はせずにしっかりと頷いた。
春恋は腕を組んだまま一度大きく頷いてから、やがて満足そうに微笑んだ。
玄も一つ溜息を吐いた。
「まあ事の経緯は分かったわ。これからは気をつけろよ?」
「うっす。重々、身に染みたし……な」
「じゃ、今度は俺の要件の番だ」
言いながら手を開き、今の今まで手に握っていた宝玉を、三人の前に差し出して見せる。
「これは……?」
「何を隠そう大山、お前の『マケン』だよ。一ヶ月マジで掛っちまったが……へへっ、その代わり力のセーブが難しいお前にゃ、それなりにピッタリな代物に仕上がったぜ」
途端三人の目が見開かれ、一度顔を見合わせてしまい、玄に盛大に笑われる。
その事を追求しながらも……海童の事情を知っている二人が、彼に笑いかけた。
「これでカ
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