彼とマケンとホッケー対決
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ら『老若男女(暴力)平等主義』であると言っても、力の特性上、手加減も指定も難易度が高くて迂闊に飛びこめない。
下手をすれば海童が避けられるどころの話では済まないのだから。
それでも如何にか覚えたてのエレメント強化に、勢い付けの衝撃波に弱性の衝撃波を持って割り込むが……結果は散々。
この怪力はまるで『セール時のおばちゃん』と、条件も力の具合も同等だと、海堂は心底そう思ったらしい。
これでは埒が明かないと、他の“マケンキ”メンバーを呼ぶ事を打診した碓だが、周りに人が居らず他に飛び火しない内に何とか収めた方が良いと海童は判断した。
だから、何度も諦めず突っ込んでいき、何度か弾きだされたのち―――とうとう場の雰囲気を変える、決定的な出来事が起こったのだと言う。
「へぇ……で、そりゃ一体?」
「まぁ、なんというか……大山の奴も悪いと言うか」
突入し割り込むうちにトバッチリを喰らう所為で、当然ながら海童もボロボロとなっていく。
もうこうなったら手段は選んでいられないと、今度は近付くや否や衝撃波を使っての威嚇で二人を諌め、喧嘩を止めるよう呼び掛ける事にしたのだ。
されど……この程度で二人の頭は冷えなかったか、口から飛びだすは容赦のない罵詈雑言。
その中には男が言われると至極傷付く物や(実際、碓の心にグサッ! と来たらしい)、男女隔てなく頭に来る物、果ては周りに誤解させる様な冤罪を齎す言葉まで吐いてきた。
更に有ろう事か……一際大きな悪罵と共に、今迄のタイガーファイトでも放たなかった大きな一撃を、海童めがけて派手に命中させてしまったのだ。
このあと何が起こったのかはもうお分かりだろう―――――精神的にも肉体的にも、我慢に我慢を重ねていた海童が、とうとうキレたのだ。
漏れ出す殺気に漸く怒りが収まる二人だが、どれだけ取り繕おうとも時すでに遅し。
海童は怒号一発、大気にすら罅が入る程に地へ思い切り拳を叩きつけて、地面を隆起させ女子生徒を空中高々放り上げた。
痛みが走り、怒気に当てられ、女子生徒達は涙を流しながら宙を舞ったと言う。
まあそれでも、後はエレメントで強化された女子生徒が落ちて終わりだ……と、碓が安心したのも束の間。
どうも自分の方へ向かう様にしていたか、放物線を描いて激突した先は―――海童の傍。
元から人相が悪いと言うのに、影で遮られるアングルと憤激の所為で拍車がかかり、二人は悲鳴も上げられず逃げられもせず、お互いの肩を抱き雨に濡れた子犬の如く震えるのみ。
そんな保護したくなるほど可愛い状態な彼女達に、しかし海童は溜飲を下げず思い切り拳を振りかぶる。
力の向かう先は地面の様だが、直接的な矛先は女子生徒達。
碓は先
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