彼とマケンとホッケー対決
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るに等しい。
幾ら春恋が鉄壁を誇るとは言えども、それは相手方のデミトラも同じなのだし、何よりアズキ一人では崩しきれない。
このままいけば確実に不利となっていく。
しかし交代しようにも、充分な代理となりそうな楓蘭、穣華、うるちは審判役であり、交代に借りだせない。
「今度クッキー焼こうと思うんだけど……」
「ほう、それはよいのう」
「クッキー大好きです? 楽しみですね!」
(……あの三人も無理か、頼んでもだめだな……のんびりしやがって畜生……)
「おぉう! また揺れたっ!!」
(……かといって碓の奴は論外だよな……何より胸しか見てねぇし……! そうなると―――)
残るのは一人しか居ない。
かすかな希望を込めて、アズキはその名前を口にした。
「交代っ!! チャチャ外して大山海童!! 来いっ!!」
「は……俺ぇ!?」
呆けている間に半ば落とされる形で交代させられ、海童は無理矢理モップ型スティックを握らされた。
構え方こそ様にはなっているが、表情は如何見てもやる気に乏しい。
行き成り叩き出されれば誰でもそうなるだろうが……。
「な、何で俺が……」
「お前しかいねぇんだよ……頼むぜ、マジで」
迫りくるような黒いオーラを出しながら言われ、海童は渋々頷き前傾姿勢を取った。
「カっちゃん!」
「っと」
流石に苦手ではないらしく走りながらすんなりパックを受け止め、アズキに一度パスを出してから再び自分の手元に保持する。
「やれるだけやってやる……ゼアッ!!」
声を上げて打ち放ったパックは中々のスピードを叩きだし、デミトラの脚付近目掛け飛んでいく。
「ぬるい」
そして普通に止められた。
「……すいません」
「いや、チャチャの時よリャマシだって……うん」
涙を流してはいるものの、そこからはアズキの言う通り、試合展開は防戦一方ではなくなってきていた。
このまま如何にか一点、一点だけでも決められれば――――――――互いにそう思い始めた、その時。
「そろそろですね〜。ポチっとー」
「あれ……何で水が……?」
前触れもなく現れて、プールの底へ薄く張られた水に春恋が戸惑いの呟きを洩らした。
が、その疑念はすぐに驚愕へと変わる。
――――何とコレまた何処からともなく、モコモコブクブクと大量の泡が出現したではないか。
「きゃあっ!?」
「な、何だこれハ!?」
「WAO! ヌルヌル!?」
「何時の間に!?」
当然みんな戸惑うが、何処かしてやったり感漂う声音で、先程スイッチを押していた張本人である穣華が説明
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