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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼とマケンとホッケー対決
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くって、それぞれ歩いて来ていた。

 予想通りだと言わんばかりに、玄人の顔に明らかな苦笑が浮かぶ。


「まだいてぇっ…………あのなハル姉! 何も全力で殴ることないだろ!?」
「たかが喧嘩を止めるだけなのに全力投球して、強制逆バンジーさせた張本人でしょ! 不平不満を言える立場ですかっ!」
「……女の子二人、怒りから一転して涙目―――いや、大号泣だったもんなぁ……」


 しみじみ呟く碓のつぶやきなど耳に入れず、海童と張る恋の言い合いは続く。


「ホント吃驚したわ! 数秒かたまっちゃったぐらい!」
「そんなに言う事ねぇだろ……!?」
「遠目からでも分かるぐらい、“高々と”女子生徒が放り上げられてたのが、言う事ないって言えるレベル!?」


 ヤンヤヤンヤと喚き散らし、ワイワイ騒ぎながら此方へ向かってくるのをこれ幸いと、玄は彼らにも負けないよう声を有る程度張り上げて止めた。


「おーう、お前ら!! ……ちょっといいか?」
「あ、玄さん。お久しぶりですね」
「……何か、用でも?」
「勿論、用事があって呼びとめたんだ―――が、その前に何があったか教えてくれねぇか?」


 再び苦笑しながら、地面を指差してからよろめいたジャスチャーから、更に海童の頭を指差す。
 最後に顎で第二広場の方向へしゃくりあげれば、もう何が言いたいのか分かったらしく、春恋は大きな―――実に大きな溜息を吐く。
 ……海童の顔がブスッとしたものに変わる。

 代表して話す気か、碓が代わりにと手を上げ一歩前に出た。


「まあ事の発端は女子生徒同士のケンカっす。マケンを使いかけた……というかもう使っちゃってたし、決闘しようと諌められる雰囲気でもなかったんで、力尽くで仲裁しようとしたんすよ」


 其処から碓が詳細を語りだす。

 曰く―――――先に彼が言い出した様に、第二広場で女子生徒同士のトラブルが勃発し、それを見かけた一人の生徒が検警部及び “マケンキ” に助けを求めてきたらしい。
 その時は運が悪いのか良いのか……丁度出かけられるのが海童と碓だけであり、いざとなれば武力行使も可能だろうと、そしてそこまで悪化する事も無かろうと余裕綽々で向かったのだ。

 が、しかし実際に蓋を開けてみれば、キャットファイトと言うのもおこがましいガチバトル。
 ……碓が彼女等に抱いた第一印象は『宛ら猫ではなく虎の様だ』であったとか。

 そんな彼女等の気迫にあてられた感想しか出なかった碓は、青白い光球が飛び交い翡翠の疾風が駆け抜け、周りに被害が及んでいない事が最早奇跡だと良い表しても足りない戦いを見て、美少女も台無しな相貌にスッカリ腰を抜かしてしまったと言う。

 此処でいよいよ海童の出番となる―――のだが、彼自身が幾
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