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大統領の日常
本編
第三十七話 首都戦5
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MM!!

男の一人に命中した。その周囲にいた男たちが銃を構えて周りを警戒しだした。
やった・・・奴らにも私たちの痛みを思い知らせてやった・・・

私は急に力が抜け、銃を構えることが出来なくなった。

プリンツ・・レーベ・・マックス・・みんな、敵は・・・討ったわよ・・・

そう思って銃に再び力を籠めようとするとさっき撃った男がこちらに向かってくるのが見えた。
まだしんでいなかった!!私はふたたび銃を男の方に向けた。

でも力が入らずいつまでもトリガーを引けなかった。私は必死に涙を止めようとしたが私の目からは雨のように涙が流れた。既に目がよく見えなくなるほどだった。

目の前に黒いものが見えた。よく見るとそれはさっきの男だった。
私は銃のトリガーを引こうと力を込めた、が・・・

その男に銃を取り上げられ、声をかけられた。

「・・ビスマルク・・・俺がわかるか?」

その声は提督の声によく似ていた。私はトリガーを引くのを止め、ゆっくり顔を上げた。
「・・・ぁ・・・アド・・ミ・・・ラル・・?」
かすれた声で私は問いかけた。
「ビスマルク・・もう大丈夫だ・・だから・な?」
やっぱりそれは提督の声だった。
「・・アドミラル・・本当に・・アドミラルなの・・?」
「俺を忘れた、っ!・・のか?」
するとアドミラルは私を右手で抱きしめてきた。私は涙をふくとアドミラルの両肩に手を置いて寄り付いた。私の頭にアドミラルの手が乗った。やさしくなでられた。

やっと・・・やっとアドミラルに会えた・・・

アドミラルにやさしく起こされると、右手で支えられながら歩き始めた。
入口の近くにはさっきの銃を持った男が10人ほどいた。

入り繰りまであと少しというところで横にいたアドミラルが急にその場に倒れた。
その時私はすぐに何が起きたのか気が付いた。
そうだ、私がアドミラルを撃ってしまったんだ、と。
銃を持った男たちが”閣下!!”と言って駆けつけてきた。
私は倒れたアドミラルの隣でただ呼ぶことしかできなかった・・・


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