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大統領の日常
本編
第三十七話 首都戦5
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姿が。
彼女を見た瞬間頭にも強烈な痛みが走った。
彼女、そして艦娘たちと凄いたときの記憶。鎮守府での思い出、海に行った時の思い出・・すべて思い出した。

「閣下をさがらせろ!一度入口まで後退!」
あれは・・・彼女だ・・・生きていた・・・

俺は意識がもうろうとしてくる中で下がらせようとする隊員を押しのけて彼女に向かって歩いた。
「・・!?閣下!!何をしている!早く閣下をさがらせろ!」
数人の隊員が両肩を抑えて下がらせようとするが、それを振りほどいて前に進んだ。
「閣下!危険ですから下がって下さい!」
なおも隊員達が下がらせようとするが、そのたびにそれを振りほどいて進んでいった。

そして彼女の前までたどり着いた。
その場に座ると彼女のすすり泣く声が聞こえた。
俺はそっと彼女が持つ銃を取ると、彼女に話しかけた。

「・・ビスマルク・・・俺がわかるか?」
「・・・ぁ・・・アド・・ミ・・・ラル・・?」
俺の声がわかったのかビスマルクは徐々に顔を上げた。
「ビスマルク・・もう大丈夫だ・・だから・な?」
俺はポケットからハンカチを取り出すとビスマルクの涙を拭いた。
「・・アドミラル・・本当に・・アドミラルなの・・?」
「俺を忘れた、っ!・・のか?」
腹部の痛みが増してきた。再び左手を当てるとその手は血で染まっていた。
これは・・結構やばいかな・・
そう思いながらビスマルクを右手だけ抱きしめると、ビスマルクは両手を俺の肩においてよりついてきた。腹部の痛みのせいでうまく力が入らなかったがなんとか持ちこたえると、ビスマルクをやさしく立たせ、俺も立ち上がった。ふと床を見るとそこは血で染まっていた。俺の下半身も血で染まっている。俺はビスマルクを右手で支えながら隊員たちのいる入口に向かった。
ビスマルクは俺のそばで”アドミラル、アドミラル”と泣きながら言っていた。
視界がだんだんぼやけてきて、入り口付近にいる隊員達のすぐ前まで来たところで視界が真っ白になった。
隊員達の叫ぶ声が聞こえる。どうやら俺は倒れたようだ。横ではビスマルクが何か言っているが、よく聞き取れなかった。
そしてとうとう俺は意識を失った。


西暦2115年 11月 13日
ビスマルク


私は暗い部屋の中でうずくまって泣いていた。誰もいなくなった部屋の中で。

先週、出撃した艦隊が帰還した。

結果は大敗北。

出撃した300隻のうち284隻が轟沈し、帰還した者も全員中破または大破していた。
そしてその帰還した者の中にプリンツ、レーベ、マックスの姿はなかった。
それを聞いた私はそれからずっと暗い部屋の中に閉じこもっていた。
度々外から声がして仲間が叫ぶ声が聞こえた。そのたびに私は恐怖で体が震えた。
どうしてこんな事になっ
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