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大統領の日常
本編
第三十七話 首都戦5
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出て先に進んだ。

半分ほど終わり、次のドアの前まで来た。そして開けようとドアノブに手をかけた瞬間ドアが勢いよく開き、中から飛び出してきた少女が襲いかかってきた。
「由良の仇ぃ!!」
完全に不意打ちを食らった俺はとっさにデザートイーグルを取り出して、突きつけてきたナイフを止めた。ただ突っ込んできただけだったのですぐに横に振ってナイフを彼女の手から振り落とした。するとバランスを崩した彼女は床に座り込んで泣き始めた。隊員達が彼女に銃を突き付けて数人が部屋に入って行った。

俺は脳内にある艦これフォルダを開いて彼女の名前を必死に探した。
そうだ、さっき由良と言っていた。由良は長良型の4番艦だったはず、ということは同型艦だろう。もう一度床に座り込んでいる少女を見た。茶髪でとても凄い形の髪型になっている。恐らく彼女は阿武隈だろう。
俺はちょうど宿舎に戻ってきた天龍を呼ぶと、阿武隈について行くように言った。天竜が阿武隈を連れて行く際こちらを睨んできた。俺は”俺が泣かせたんじゃないぞ”目で伝えると、天龍は渋々といった表情で阿武隈を支えながら歩いて行った。

その後も数十人の艦娘を保護して、廊下の突き当たりまで来た。部屋の数は24部屋もあるのに対して艦娘の数が異常に少なかった。恐らくあの海戦で300人近く減ったせいだろう。この建物は4階建てだが、途中の階段で上がって確認したところ、2階から上は はほとんど空き部屋になっているそうだ。つまりこの部屋がラストということになる。今までの部屋にビスマルクの姿はなかった。つまり、この部屋にいることになる。
・・・生きていれば・・だが・・・
あの300隻の中にビスマルクがいなかったという確証はどこにもない。プリンツと一緒に出撃して轟沈した可能性もある。

「・・・・・」

「・・閣下?ここが最後です。中を確認しないのですか?」
ずっと扉を開けないのを不思議に思った隊員の一人が声をかけてきた。
俺は考えるのをやめて、一度深呼吸してから少しずつ扉を開けた。

「・・・暗いな・・・」
暗くてよくわからないが、どうやら今までよりだいぶ大きい部屋のようだ。
「ライトをつけてくれ」
俺が後ろの隊員達の方を向いて指示を出したその瞬間、


BAMM!!


「・・・え・・・・・」
発砲音が聞こえたと思った数秒後に腹部に強烈な痛みが走った。
「っ!・・・」
腹部に手を当てるとその手には血がついていた。
「・・・・」
「なっ!閣下!!閣下が撃たれたぞ!周辺警戒!!」
俺が手についた血を見ると、隊員の一人が驚いた表情をして叫んだ。
撃たれたところを左手で押さえながら部屋を見渡した。すると暗闇の中ではっきりと見えたものがあった。

床に座り込んで俯いたままこちらに銃を向けている彼女の
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