9部分:第九章
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くという。話には聞いていたけれど会ったのははじめてよ」
「私は美しいものの前にしか姿を現わさないわ」
「姿をなのね」
「そう、そして手に入れる」
そうだというのである。
「あの奇術師もそうよ」
「確かにね。彼女は美しいわ」
春香についての話になった。彼女の美しさは両者共認めるものだった。沙耶香にしても死美人にしてもだ。どちらも同じであった。
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