風の行く先へ
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まただ。また、景色が変化した。
今度は……月に照らされた領主の舘の前。女性の姿も無い。
「……なんなの、一体」
周囲を見渡せば、純白の翼がいつの間にか消えてる。
目の錯覚? それにしてはくっきりはっきりし過ぎだったが。
「……どうしたら良いんでしょうか、師範……」
レゾネクトから逃げて……か。
軽く手合わせした感じ、あの男は並じゃない。あまりどころか、二度と会いたくない部類ではあるが……。
「世の中、平穏無事が一番なのにな」
ひとまず領主に山賊の件を報告して、それから考えてみよう。こんな話をしても信じてもらえる訳がな……
……あ。居たな。怪奇現象を知ってる人。
彼らが発端になってる気がしなくもないが。
「解らない事は、関係者に話を尋くのが基本。ですよね、師範」
彼らが向かったのは東……だったな。
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