暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第168話 別人
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なりすぎている。

 自分は氷の機械、の筈なのに、この男の前では、中々平静を保っていられないのだ。同じ相手に2回も敗れてしまったから、と言う事もあるだろう。今回のを含めれば3回目になってしまう。

 だが、そんな事よりも、違和感があった。
 
 この男の口調、言葉遣いが違う事にだ。

 あの男、これまで通りのあの男であれば、何処かあやす様に、言い聞かせる様に抑える様に、いうのだが、今目の前にいる男は、正面突破で正論をぶつけてきた。以前と明らかに違うのだ。

 だから、シノンは聞いた。

「………アンタ、一体誰?」
「っ……!」

 そう訊いたと同時に、明らかに動揺しているのが判った。別に初対面じゃない筈なのに、動揺するのはおかしい。そして今までに2度会ったが、こんな表情見せた事ない。

 食えない笑み、やや驚いた表情、それは見せた事はあるが、あからさまに動揺しているのは初めてだ。そして、以前までの男から感じた、そのアバター通りの年配者、経験者だと思えたのだが、そのアバターの中にいる者は明らかにあの男よりも幼く感じた。

 だからこそ、更に確信持てたのだ。

 この男は、あの男とは別人(・・)なのだという事を。

「……あの男が言っていた強者?」
「………」

 動揺をしていたが、直ぐに元に戻す。沈黙を貫き、何も言わずに離れる。

「あ、待ちなさい!」
「(……今日は頼まれごとをしてただけだ……。でも悪い事をしたな。まさか知り合いだったとは……)」

 足早に立ち去ろうとしている。が、シノンは逃がしたくなかった。この男が、あの男のいう強者である可能性が高いし、それよりもあの男がどうなったのかが知りたいから。

 もう、この世界に来る事がないのか?とも心配だった。

 まだ、脳天に弾丸を見舞ってないのだから。
 シノンは、部位折損をしていたが、時間が立ち、そのペナルティから解放された。そして、あの男を追いかけようとしたが……。男が何かを放ってきた。それは、深緑色の缶の様なモノ。


――手榴弾(グレネード)!?


 シノンはそう瞬時に認識。だが、グレネードは安全ピンを引き抜き、5秒立たないと爆発はしない。
回避する事は出来る……が。そう考えていた刹那、たーんっ!と乾いた音が響いた。投げたと同時に撃ってきたのか?と思ったその時。

 今度は、しゅぽっ!と言う音が響き、辺りが煙で満たされた。

「っ……!」

 シノンは、咄嗟に口に手を当て、目を細めた。催涙作用は無く、視界を奪う為の爆弾。


――煙幕爆弾(スモーク・グレネード)


 そう認識したが、それよりも違和感があった。

 放ってから、煙が散布されるのが早すぎる事にだ。

 この
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