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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第168話 別人
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の援護で、姿を散らしていた。
つまり、ここからは《ベヒモス》と《シノン》の一騎打ちだ。
だが、《重機関銃vs対物狙撃銃》では、話にならない。
どうにか、ミニガンの死角に入り、且つ
弾道予測線
(
バレット・ライン
)
がリセットされる様に60秒も稼がなければならない。だが、意識を反らせる為に使える物は何もなく、1対1の正面対決じゃ、時間を稼ぐどころか、死角さえ作れない……。
――いや。まだ手はある。
この土煙で姿を隠している間に、ライフルのアイデンティティーでもある遠距離射撃をする為にあの半壊しているビルの屋上へ行く。勝機はそこにしかない、とシノンは判断した。砂煙に身を隠しつつも急ぎ、ビル内へと飛び込んだ。ヘカートを担いだまま、出来る最大の跳躍を活用し、階段を一気に駆け上がる。半壊したビルだけあって、所々のステップが抜け落ちているありさまだったが、気にせずに駆け上がる。
20秒足らずで、5階まで上り詰めると、そこで階段は完全に崩壊しており、登る事が出来なかった。
が、ここで十分。すぐ左側に大きな窓があったからだ。
――ここからならいける!
シノンはそう思いながら、狙撃姿勢を取った。・・・…が、敵もそう甘くはない。
こちら側の武器が一体何なのかはバレている為、この状況で、どこへ行けば反撃出来るか、その全てを読んでいた様だ。全てを読み、ベヒモスはミニガンを限界まで上に向けていた。そう、シノンがいるビルへと。
シノンの視界が一気に真っ赤に染まった。もう、後退する時間も、身を伏せる時間もなかった。
――……強い。あの男同様に、本物のGGOプレイヤー、いや
兵士
(
ソルジャー
)
だ。
だが、そんな敵をシノンは求めていたのだ。
殺す、絶対に。あの男と再戦し、あの男を撃ち負かすまでは、もう二度と負けてなんかいられない。
一騎打ちならば特に。
ベヒモスは、ミニガンをばら蒔いた。シノンがいるビル5階のエリアの全てを破壊する勢いで。その弾丸、弾幕は確実にシノンを捕えた。
「ははははは!」
ベヒモスは勝利を確信した様に、高らかに雄叫びを上げた。……だが、その雄叫びは長くは続かなかった。
「……はっ!?」
ベヒモスは目を疑った。ミニガンの掃射から発生した土煙、コンクリートを砕き、粉塵煙も発生。
その中から、あの
狙撃手
(
スナイパー
)
が現れたのだ。
だが、無傷ではない。シノンの左足が消し飛んでいた。どうやら、あの当たった感触、音は左足の末端を掠めた程度だったのだ。
――私はまだ生きている。
シノンは、狙撃体制は取らずに、あの掃射を受けるその瞬間、窓枠に右足をかけ飛び出したのだ。燃えるように輝くエ
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